人気歌舞伎俳優・市川猿之助さん(47)の緊急搬送から一夜明け、家族3人の当時の様子が明らかになってきた。

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きょう19日午前9時には、市川猿之助さんの自宅周辺では警視庁の捜査員による現場検証が行われた。

きのう18日午前10時すぎ、東京・目黒区にある自宅の地下にある自室で、意識がもうろうとしている状態の猿之助さんを、迎えに来たマネージャーが発見。

近くにあった油絵などを書くキャンバスには、手書きした遺書のようなものがあったことがわかっている。

19日になり、財産を親族以外の関係者に相続させるという趣旨の書き置きもあったことが明らかになった。
猿之助さんは、意識障害で会話ができない状態だったが、すでに搬送先の病院から退院しているという。

死亡した両親は、2階のリビングの床に仰向けの状態で、首から下には布団がかかっていた状態で発見。
発見された両親からは微量の吐しゃ物が確認されたほか、母親は死後硬直が始まっていて、死後一定の時間が経過していたとみられている。

司法解剖の結果によると、両親の死因は「向精神薬中毒」とみられることが判明。
どのような経緯で薬を服用したのかは分かっておらず、司法解剖でも、遺体に目立った外傷は見つからなかったという。
今後は血液を調べて、何の薬なのか特定する方針だという。


専門家は死後硬直についてこのように解説している。

滋賀医科大学 社会医学講座・一杉正仁教授:
(死後硬直)が全身に認められるということでしたら、おそらく半日近く経ってるのではないか、あるいはそれ以上経ってるのではないかというふうに考えます。

父子が“一門を一緒に支えていた”

歌舞伎界きってのトップスターに、何が起きたのだろうか。

2年前、猿之助さんは家族のあり方についてこのように語っていた。

市川猿之助さん(2021年10月):
本当に人としての当たり前のこと、親を心配する、子どもが親を守る、家族を守るという基本的なところからまず取り組んでいただきたいと思います。


歌舞伎界に詳しいサンケイスポーツの山下編集委員は、猿之助さんと父親の段四郎さんとの“親子の絆”は強かったと話す。

サンケイスポーツ編集委員・山下伸基さん:
親子関係はもちろん良かったですし、一緒に住まれていましたから。段四郎さんが一番最初に歌舞伎の名前を襲名したのが亀治郎だったんですけども、その名前を息子の猿之助さんにも継がせているというところからも明らかなんですけども…。


両親と3人暮らしだったという猿之助さん。
段四郎さんは10年ほど前から体調を崩し、舞台からは遠ざかっていたが、一方で、息子の猿之助さんは、歌舞伎界の“革命児”として華々しく活躍の場を広げていった。

市川猿之助さん(2013年):
革新というのは、だいたい最初は悪口言われるんですよ。だから勇気ですね。それだけです。だから時代を追いかけてるようじゃ駄目ですよね。最初はもう孤立無援でいいと思うんですよ。時が経ってからやっぱりそれが正しかったんだな、ということだとは思うんですね。

サンケイスポーツ編集委員・山下伸基さん:
(2013年の)猿之助さんの襲名公演中に体調不良で降板してから、歌舞伎の舞台からは遠ざかっていたと。猿之助さんがやっぱり澤瀉屋を引っ張っていく存在だったんですけども、父親である段四郎さんが側面支援して、澤瀉屋を支えてたと。一緒に支えていたという関係になります。


近隣住民は、猿之助さんの様子に変わりはなかったと話す。

近隣住民:
(猿之助さんは)たまにここを通って…挨拶したことあったけどね。1人でよく歩いていたよ、気さくに。ごく普通の人、芸能人ぶったところもない。

――ここら辺で何かトラブルは…

近隣住民:
全然ないね、まったくない。

歌舞伎ファン「本当に素晴らしい芸をされる方」

いつもは多くの歌舞伎ファンが集まる、東京・中央区にある明治座。

19日、市川猿之助さんが主演を務める公演の昼の部は中止となり、客の姿はなく入り口は閑散としていた。
公演を楽しみにしていた歌舞伎ファンの間には、困惑が広がっている。

歌舞伎ファン(60代):
どういうふうなことが実際あったのかわからないんですけれども、芸としては本当に素晴らしい芸をされる方なので、もったいないというか残念というか、そういう気持ちが一番強いですね。


また、亡くなった段四郎さんについて、涙ながらに語る歌舞伎ファンの姿もあった。


歌舞伎ファン(80代):
四代目市川段四郎っていう素晴らしい役者さんだったっていうことを忘れてほしくないなって…涙で舞台が見られないんじゃないかなと思います。

18日から中止が続く昼の部の公演は20日以降、俳優・香川照之さんの長男である市川團子さん(19)が代役を務めて上演されることが決定した。

市川猿之助さん(2013年8月):
第一も第二にもお客さまです。お客さまが一番よくわかっている。面白ければお芝居も見るし、お客さまが一番素直だと思います。良ければ愛してくださるし、だめだとお客さんはそっぽ向きますから。


警視庁は、猿之助さんは自殺を図ったとみていて、回復を待って両親が死亡した経緯を聞く方針だ。

榎並大二郎キャスター:
齋藤先生は猿之助さんとも交流がおありだったんですね。

明治大学・齋藤孝教授:
ささやかですけれども、亀治郎さん時代に、CDに歌舞伎の名ゼリフの録音をお願いしたり、すごく切れのいい芸でしたね。
ラジオの番組に呼んでもらって話した印象としては、大変頭が切れるシャープな方という印象なので、一体何が起こったのかと困惑します。

榎並大二郎キャスター:
本当にまだ多く謎が残っているわけですけれども、まずは猿之助さんの回復を待ちたいと思います。

「いのちの電話」
電話:0570-783-556(午前10時から午後10時まで)

(「イット!」5月19日放送分より)