島根・出雲市の山あいの集落にある集会所が、室内を大きく荒らされる被害に遭った。
1カ月ぶりに訪れた集会所で起きていた「事件」、住民が目にしたのは、現場に居座る意外な「犯人」の姿だった。
タケノコが集会所を“破壊”
出雲市見々久町、山あいの集落にある小さな集会所で「事件」は起きた。
この記事の画像(16枚)和室に入ると、畳は無残にめくれ上がり、整然と並んでいたはずの机は仰向けに…まるで誰かに荒らされたような光景だ。
手掛かりを探そうと、床下をのぞいてみると、「犯人」と思しき姿が見つかった。
村上遥アナウンサー:
こちらの集会所を荒らした「犯人」は、なんと、この「タケノコ」でした
集会所を荒らした「犯人」は「タケノコ」だった。
第一発見者・藤原修二さん:
パッと開けたらビックリですね、畳やテーブルがひっくり返っているし
集会所を管理する藤原修二さん。4日前、地区の会合で使うため準備しようと、約1か月ぶりに集会所を訪れところ、この惨状を目の当たりにしたという。
驚異の成長力…1日で30cmも
村上遥アナウンサー:
畳の下からタケノコが、1、2、3本出てきています
床下を見ると、タケノコは1本だけでなく、3本確認できた。このうち1本は、高さ約3メートルの天井まで届いている。
第一発見者・藤原修二さん:
(前日は)天井まで30cmほどすき間があったけど、きょう見たら、天井まで届いていた。
床を突き破り、天井まで…一夜で30cmも伸びる驚異の成長力だ。
第一発見者・藤原修二さん:
隣の竹やぶから、こっちに根が生えてきて、タケノコが生えてきた
集会所の隣には、竹やぶがあり、2021年にも同じような「被害」があったという。タケノコには、隔年で収穫の多い「表年」と収穫の少ない「裏年」があり、2021年も2023年もともに「表年」にあたる。
「犯人」の竹は、中国原産で国内でも広く分布する「孟宗竹(もうそうちく)」とみられる。日本で見られる竹の中では最大級とされ、成長すると高さ20mあまりまで達するという。
床下からさらにタケノコが…
驚異の成長力を考えると、天井を破るのは時間の問題。
これ以上、被害を拡大させないよう、集会所には、地区の人が集まり、撤去作業を開始した。
畳を引き上げ、床下をのぞくと、次々にタケノコの姿が確認された。
第一発見者・藤原修二さん:
7本かな、大変大変…
室内に伸びた竹を切り倒し、床下からも撤去した。
地区の住民:
ひと安心、また伸びる可能性もあるけど。
ここで気になるのが、撤去したタケノコの行方だが…
村上遥アナウンサー:
撤去したタケノコは食べられるんですか
第一発見者・藤原修二さん:
いいえ、大きいから食べられない。
残念ながら、おいしくいただくには、大きくなりすぎていた。
撤去作業はひとまず終わったが、次の「表年」の2025年にも、再び同じような被害が出ることも考えられる。住民はどう対策をとるか、タケノコの驚異の成長力に、今から頭を悩ませている。
(TSKさんいん中央テレビ)