大手銀行グループの2022年度の決算が出そろった。
コロナ禍からの回復で貸し出しが好調だったことなどから、三井住友とみずほで最終利益が増益となり、三菱UFJも過去最高だった前の年度とほぼ同じ水準となった。
2022年度の最終利益は、三井住友フィナンシャルグループが8058億円と、前の年度から14%増え、みずほフィナンシャルグループが5555億円と、4.7%増加した。
また、三菱UFJフィナンシャル・グループは、前の年度より1.3%少ない1兆1164億円で、過去最高となった前年度とほぼ同じ水準だった。
コロナ禍からの回復で、国内外での資金需要が高まったほか、欧米の利上げが海外での融資の利益を膨らませた。
3グループは、いずれも、今年度は、最終利益がさらに増えると予想しているが、会見では、アメリカの銀行破綻をきっかけにくすぶる金融不安をめぐるコメントが相次いだ。
三井住友フィナンシャルグループの太田純社長は、「我々に対する影響は極めて限定的」としながらも「さらなる危機につながる可能性がないかどうかは、引き続き慎重に見極める必要がある」と述べたほか、みずほフィナンシャルグループの木原正裕社長は、「いったん収束したようにも見えるが、(アメリカの)地方銀行の問題はたぶん氷山の一角で、この1年でアメリカの金利は急速に上昇し、さまざまなひずみが生じているはずだ」と話した。
三菱UFJファイナンシャル・グループの亀澤宏規社長も、「欧米の金融不安はまだ霧が晴れていない。今後金融システムへの影響や実体経済への影響を見たい」と述べた。