11日も乾燥注意報が出るなど乾燥した天候が続く中、山形県内では火災が多発している。中でも「林野火災」は63件と2022年の2倍と急増していて、その多くが小さなたき火が燃え広がり、手に負えなくなるというケースだ。

「野焼き」は廃棄物処理法で原則禁止

4月、上山市で発生した火災。「住宅の裏庭から火が出ている」と近所に住む人が119番通報し、この家の裏庭にあった竹や木材などが焼けた。火が出た原因について、火元の家の男性に聞いた。

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火元の家のたき火をしていた男性:
枯れた竹を短く切って燃やしていた

ーーその後どうなった?

火元の家のたき火をしていた男性:
水を3~4杯かけて、水が入ったバケツをそばに置いて、家でテレビを見ていた。1時間ぐらいたったら「パチパチ」と音がしたから驚いて出たら再び燃えていた

火災現場
火災現場

幸い住宅への延焼はなく、けがをした人もいなかった。男性は「水をかけたので、もう火は完全に消えた」と考えていたそうだ。

ーー消したつもり?

火元の家のたき火をしていた男性:
そうです。水をかけても、かき回してもう1回かけないといけないんだね

雪解けが早かった2023年は乾燥が進み、野火や林野火災など屋外の火災が急増している。県内では4月末までの発生件数が63件と、2022年の同じ時期と比べて実に2倍。過去10年で最悪のペースだ。

県の調査資料
県の調査資料

相次ぐ林野火災の原因を一つひとつ調べると、その多くが自宅の庭や畑にたまった枯れ草などを焼却するための「たき火」だった。

県消防救急課・中村精課長補佐:
そのほとんどが、ごみ・折れた枝の焼却。これが風であおられて延焼したもの。もちろん注意はしていると思うが、なかなか人間に火は制御できない

県の調査資料
県の調査資料

警察などの調べによると「1人でたき火」をしていて、「目を離した隙に」、「消したつもりなのに」燃え広がったケースが非常に目立つ。

消したはずが火事を起こしてしまった男性:
火は危ないね。燃やす時は消防署に電話してやらないとダメだね

そもそも「野焼き」は、廃棄物処理法で原則禁止されている。例外は、農業・林業を営むためのやむを得ない場合などに限られている。もし私たちが火災と紛らわしい煙が出るような「たき火」を行う場合は、事前に消防署に届け出る必要がある。

ーー一般の人は裏庭で枯れ草などを燃やしてはダメ?

県消防救急課・中村精課長補佐:
そうですね。自宅の裏庭でごみを燃やすことは、基本的に法律で認められていない。バーベキュー・芋煮など屋外でやるのが全てダメという訳ではない。「燃やす規模」の問題。臆病なぐらいの気持ちで火を使ってほしい

本格的なレジャーシーズンに入り、キャンプなど火を扱う機会が増える時期だけに、「火の危険性」を正しく認識しておくことが重要だ。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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