市街地で目撃されることが多くなってきたクマ。

北海道では2023年、クマの目撃件数が5月末ですでに700件(速報値)を超え、過去最多のペースに。日常の生活でもクマと遭遇するリスクが高まっている。

再開したばかりのキャンプ場に再びクマが…

幌加内町・朱鞠内湖で釣り人の男性がクマに襲われ、死亡した事故からまもなく1カ月。

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6月5日、キャンプ場の一部などが再開されたが、6月6日にクマが目撃され、キャンプ場などの営業が再び中止に。

幌加内町朱鞠内湖で渡船などを行っているNPO法人のスタッフが周辺を巡回していたところ、キャンプ場から直線で1キロほど離れた林道でクマを発見した。

目撃を受けてキャンプ場と遊覧船などの営業は再び中止され、前浜も閉鎖された。

北海道では最近、クマの目撃が増え続けている。

撮影者:
怖い!怖い!

市街地にも現れるクマ。

人と野生動物との境界線があいまいになりつつある。

クマと衝突したドライバー:
あんな衝撃初めてだったのでビックリしたのと、怖くて降りられなかったですね

クマと遭遇する可能性が高まっている今、リスクを減らすため、私たちも対策を取る必要がある。

撮影者:
怖い…向かってくるんだ…

北海道では2023年、クマの目撃件数が増え続け、5月末までに723件に。

2022年の同じ時期に比べ200件以上も多く、過去最多ペースとなっている。

クマ対策グッズの売れ行き増加 注目集まる

繁殖期でクマの行動範囲が広がると同時に、釣りや山菜取り、キャンプなどアウトドアシーズンを迎えたこの時期。

ホームセンターでは“ある現象”が起きていた。鈴やスプレーなどのクマ対策グッズの売れ行きが2022年の1.2倍ほどになっていると言う。

ジョイフルエーケー屯田店・小林孝平副店長:
(クマ鈴は)音量の大きなものや違う音の出るものを組み合わせると、より人の存在をアピールできる。(ほかに)売れるのは爆竹。入山するときに鳴らしたり、釣りで川に入った時に最初に鳴らして、人間の存在を知らせる

また、住宅街や畑に近づけさせないために、野生動物が嫌う臭いを出す商品が注目されるなど、関心が高まっている。

例年、春先の山菜取りの時期に売れるクマ対策グッズだが、朱鞠内湖の事故以降、再び注目されているようだ。

ジョイフルエーケー屯田店・小林孝平副店長:
1つの鈴が定番だったが、複数音量の違うものとか、複数の鈴をつけてより、存在をアピールする傾向になった。これからレジャーシーズンに入っていくので、色々な方がより多く山に入るようになるので、まずはクマよけ対策商品を見直してほしい。クマの撃退スプレーを持っている人は使用期限があるので、しっかり山に入る前に期限が切れていないか確認して、装備を整えてほしい

クマ鈴を見に来ていた親子も、釣りに行く際に備えて購入に訪れたという。

買い物客:
川の釣りに行こうかなと思っていたので、鈴持って行った方がいいかなと。大きすぎず、小さすぎず、どんな音なのか確認しながら、店員に聞いてみたいと思う

行政が対策を進めると同時に、私たちも備える必要がある。

市街地周辺でも…クマの目撃情報が頻繁に

気温が上がると、目撃件数も減ってくるはずだが、2023年は逆に増えている。

特に多発しているのが、オホーツク地方の紋別市。

市内の中心部で、4月21日の目撃情報をきっかけに、山の方、海の方でも頻繁に目撃情報があった。

特に5月11日以降は、市街地周辺で頻繁に目撃されるようになり、6月5日までの目撃は37件にのぼっている。

さらに、6月5日には、箱わなにかかったクマ1頭を市の職員が発見し、駆除された。

今回クマが捕まったのは、最後にクマが目撃された場所から数キロ離れた場所だった。

少なくとも2頭のクマがいるとみられ、市は先週市内3カ所に箱わなを設置していた。

市は目撃が相次いでいるクマと同一個体か調べると共に、警察は付近をパトロールするなど警戒を続けている。

また、旭川市でも、2022年の同じ時期、目撃情報は9件だったが、2023年は6月5日までに27件と、3倍の情報が寄せられている。

ヒグマとの遭遇リスクが高まっている北海道。注意が必要だ。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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