待ちに待ったゴールデンウィークがついにスタート!

GW初日、レジャーを楽しむ人々
GW初日、レジャーを楽しむ人々
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大型連休を満喫する一方で注意しなくてはいけないのが、“レジャースポットでの思わぬ事故”です。

毎年、GWの時期になると事故が多発しており、2022年のGWには、愛知県豊田市の矢作川で、19歳の男性がバーベキューをしていて川に入り溺れ、死亡する事故が起きました。

同じく2022年5月、新潟県村上市では、海岸で男性2人が釣り場にゴムボートで向かっていたところ、沖に流されて1人が死亡しています。

さらに、海や川などの水難事故だけでなく、山にあるキャンプ場にも危険はあります。

先月には、相模原市のキャンプ場で20m近くもある巨大な木が倒れ、テントで寝ていた夫婦が下敷きとなり1人が死亡しました。

思いがけないゴールデンウィーク中のレジャーでの事故。どのように防げば良いのでしょうか?
「めざまし8」は、専門家に「危険な場所」や「対処法」を詳しく聞きました。

水難事故に注意!ライフジャケットの着用を

今年のGWは、久しぶりに行楽地にでかけ、レジャーを楽しむ人が増えると見られています。そんな中、消費者庁は「行楽シーズン到来!安全にレジャーを楽しみましょう」という注意喚起を公表しました。

暖かくなってきた中のレジャーで、まず気をつけなくてはいけないのが「水難事故」です。

警察庁によると、2021年の1年間に全国で発生した「水の事故」は、1395件。そのうち、死者・行方不明者は744人(子ども31人)に及びます。

発生場所(死者・不明者)別でみると、「海」が366人、「河川」253人、「用水路」67人、そのほかが58人と、多くが海や河川に集中しており、中でも魚とりや釣りをしていた人が事故に遭ったケースが、214人と多くを占めています。

山や川などアウトドアに詳しい災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は、特に「防波堤」での事故が多く、海に落ちて離岸流で一気に沖に流されることもあるので、ライフジャケットの着用が大切だと話します。

災害危機管理アドバイザー 和田隆昌氏:
何よりもまず、「ライフジャケット」ですね。これがあるかないかで生死が分かれることが多いので、これをきちんと着けておくことが重要ですね。

子どもが被害に遭わないためには…危険な場所と対処法

水の事故の中でも、子どもが被害に遭いやすい「河川の事故」。特に気をつけるべき場所は、以下の3カ所です。

(1)川の曲がっている所
特に大きく曲がっている外側は、流れが急になっている。

(2)水が落ちる場所
川に段差がある場所や、小さな滝つぼも要注意。

(3)橋脚の周り
人工物の周りは、水の流れが変則的になるため特に注意が必要。

川は海の砂浜と違い、浅いところから急激に深くなることがあります。さらに、水面は穏やかに見えても、深い場所の流れは急で複雑。これは、川岸からでは確認が難しいです。

危険を感じ足を踏ん張ろうとしても、川底が「砂」や「砂利」なので踏ん張りがきかないことも。

もうひとつ、和田氏は「川の上流が雨の時は、川に近づいてはいけない」といいます。

上流から押し寄せる“鉄砲水” (2021年7月 新潟県魚沼市 佐梨川)
上流から押し寄せる“鉄砲水” (2021年7月 新潟県魚沼市 佐梨川)

2021年7月には、新潟県魚沼市の佐梨川の11㎞上流で、大雨が降ったことによる“鉄砲水”が発生。雨が降った約1時間後に濁流となり押し寄せました。

川の上流の地域で雨が降っているなど、増水するおそれがある場合は、近づかないようにすることが重要です。

和田氏は、子どもが水の事故に遭わないために、万が一の事を考えて「ライフジャケットを着用する」「マリンシューズを履く」など準備をする必要があるといいます。また、保護者はお子さんから目を離さず、手の届く範囲で見守ること。

一緒に水に入る際は、子どもが上流・大人が下流にいるようにすることも、万が一の際に有効です。

川に入って足がつかなくなってしまった場合は、「淡水」は浮力が小さいため、無理に動かず「浮いて待つ」ことが大切です。その際は、手を水面から出すと顔が沈んでしまうため、手を水面から出さないことも心掛けてください。

子どもの命を守るために、何が大切になってくるのでしょうか?

災害危機管理アドバイザー 和田隆昌氏:
お子さんが流されると、親はすぐ助けようと泳いでいってしまうと思うのですが、二次災害を防ぐためにも、できればロープなど救助できるような、投げて引っ張れるようなものを事前に用意しておくのが重要です。

山の事故に注意!事前の準備と“注意すべきポイント”とは?

気をつけるのは、海や河川だけではありません。「山」でも毎年、GW中の事故が相次いでいます。

2022年のGW連休期間中、全国の山岳遭難の発生件数は155件。そのうち、死者・行方不明者が17人。

和田氏は、「低い山でも登山に慣れていない人の事故リスクが高く、原因の多くは“滑落”と“道迷い”」だといいます。

山でのこのような事故を防ぐには、「登山初心者は単独行動しない」「滑落しないよう滑りにくい登山靴を履く」「緊急時の連絡手段として、スマホとモバイルバッテリーを準備し、山で電波が届くか事前に確認しておく」ことが重要だということです。

さらに、キャンプを楽しむ際にも気をつけなくてはいけないことが。

4月16日、神奈川県相模原市にあるキャンプ場で木が倒れ、テントで寝ていた夫婦が下敷きとなり、29歳の妻が死亡する事故が起きました。木は高さ18メートル、太さ70センチ、倒木の原因は、木の根本の部分が腐っていたためとみられます。

「危険な木」をどのように見分ければいいのか?日本樹木医会の小林明理事によると、以下の注意点のいずれかが確認された場合は、木が枯れていて“倒木の危険性”が高いといいます。

・幹や根元にキノコ類が生えている
・幹にうろ(穴)が開いている
・根元から木が傾いている
・木の皮が剥がれている

小林理事は、「今は時期的に、新しい葉の重みで倒木が発生しやすい。木の高齢化が進んでいるのも原因の一つ」と注意を呼びかけます。

災害危機管理アドバイザー 和田隆昌氏:
テントを張る場所は、斜面だと落石の危険もありますし、あるいは水面近くであると急な河川の増水などに対応できないので、そういった場所を選ばないこと、あるいは指定していない場所には絶対に行かないということも重要です。
落雷の場合は、大きな木の所にいると、そこから(電気が)流れてくることもありますのでリスクは高いです。なるべく広い空間の所にいることが重要だと思います。

(めざまし8「わかるまで解説」より 5月1日放送)