トヨタ自動車が、過去最高の生産台数と販売台数を記録した。

トヨタ自動車は、2022年度の世界での生産台数が913万247台となり、前年度比6.5%増で過去最高になったと発表した。

また、販売台数も前年度比1.0%増の960万9782台となり、こちらも過去最高となった。

新型コロナの感染拡大や、半導体の需要が増えたことによる部品不足の影響を受けたものの、北米やアジアでは需要が堅調だったことなどが要因としている。
ツートップの真逆な戦略
「Live News α」では、早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚さんに話を聞いた。
堤 礼実 キャスター:
世界ナンバーワンということですが、いかがですか。

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん:
エレクトロニクスをはじめとした日本の製造業が振るわない中で、トヨタが過去最高の生産台数も販売も業界でもトップというのは、明るいニュースですよね。
トヨタは、2位のフォルクスワーゲングループとトップ争いをしていますが、その戦略は真逆です。
フォルクスワーゲンは完全にEVにシフトする体制で、主力車種のゴルフもエンジン開発は今後行わないということです。
一方のトヨタは、先日EVのラインアップ拡充を発表しましたが、同時に新型プリウスを発表したり、水素エンジン車でレースに挑んだりと、EV以外のパワートレインもそろえる全方位戦略をとっています。
堤 礼実 キャスター:
その戦略の違いは、どこからきているのでしょうか。
早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん:
一つは、両社の地域別シェアの構造の違いがあるように思われます。
トヨタは、日本、アジア、アメリカ、ヨーロッパと、まさに世界中まんべんなくクルマを売っています。
一方のフォルクスワーゲンの場合、約半数は中国、残りはヨーロッパが中心で、この2つの地域は政策的にEVへの傾斜を強めており、市場の成長が期待出来る地域でもあります。
さらに、もう一つは、フォルクスワーゲンの場合、かつてクリーンディーゼルの性能偽装で内燃機関のイメージを悪くしていますので、EVでできるだけ早く汚名を返上したい、という狙いもあるのかもしれません。
全方位戦略はトヨタの責任感
堤 礼実 キャスター:
ただ、未来のクルマは電気自動車という風潮があり、日本のメーカーは出遅れているのではないか、そんな心配の声もあるようですが、いかがですか。

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん:
Co2を排出せずに電気を作り出せる国や地域は、それほど多くありません。
トヨタは、ブラジルでバイオ燃料を使ったHV車を現地生産すると発表しましたが、そうした地域でのCo2排出をできるだけ減らすためには、なにがなんでもEVというよりは、日本の効率の良いエンジンやHVを活用していった方が現実的です。
トヨタの全方位戦略は、世界各地域でまんべんなく車を売る企業としての責任、という意味合いもありそうです。
堤 礼実 キャスター:
100年に1度の大変革期とも言われている自動車業界で、トヨタもEVやハイブリッドなど
さまざまな選択肢を増やしています。
以前、佐藤社長を取材させて頂いた際に、「一人一人の相棒となる、喜んでもらえる車を作りたい。そういう車を作ることが好きなんです」と、おっしゃっていたのがとても印象的でした。
新たな体制となり、これからどんな可能性を私たちに見せてくれるのか、楽しみですね。
(「Live News α」4月27日放送分より)