“金融機関の職員”を名乗る特殊詐欺犯と、被害に遭った60代女性の実際のやりとりを広島県警が公開した。

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公開されたのは、「社会保険の還付金が戻ってくる」などと、言葉巧みに相手をだました特殊詐欺事件の実際の電話のやりとり。

金融機関の職員を名乗る男から、広島・呉市に住む60代の女性に電話がかかってきた。

男:
お世話になります。到着されましたか。

女性:
はい。

指示された金融機関のATMに到着した女性に、男が電話で“お客さま番号”を入力するよう伝える。

しかし、実際にはこの“お客さま番号”は“振込みの金額”だった。

男:
「お客さま番号」はきのうと同じで「999」。

女性:
(999と番号を押し)はい。

男:
「334」。

女性:
(334と番号を押し)はい。

男:
「円」を押していただいて。

女性:
(「円」を押し)はい。

男:
「振込先」で。

男は言葉巧みに、100万円近くを振り込ませようとした。

残高不足も引き下がらず”半額”に

ところが…。

女性:
カードの明細書が出ましたけど。

男:
明細書に何て書いてありますか?

女性:
「残高が不足しています」。

残高不足で送金ができなかったのだ。これで女性は被害を免れると思われたが、男は引き下がらなかった。

男:
そうしましたら「お客さま番号」は「499」。

女性:
(499と番号を押し)はい。

男:
「334」。

女性:
(334と番号を押し)はい。

男は約100万円を、半額の約50万円に変更。

この手口で60代女性は、3月末~4月上旬の短い期間のうちに、5回にわたって約350万円をだまし取られた。

広島県警は「銀行などのATMを操作して、相手からお金が振り込まれることはない」と注意を呼びかけている。

(「イット!」4月24日放送より)