人気のスープ専門店「スープストックトーキョー」は、一部店舗で実施している「離乳食の無料提供」を4月25日から全店舗で行う。

このサービスをめぐり、ネットが少しざわついている。

「素晴らしい」「落ち着けなくなる」新サービスへの反応は

「スープストックトーキョー」は、首都圏を中心に全国およそ60店舗を展開する、“食べるスープ”の専門店。駅近くの店舗が多く、朝ご飯やランチの利用も多い。

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一部店舗では「離乳食の無料提供」を実施しているが、4月25日からは全店舗で行うという。

このサービスに対し、ネット上では「素晴らしい取り組みだ」「今から娘と一緒行くの楽しみにしています!」「乳児を持つ親としてハードルが下がりありがたい」と喜ぶ声があがった。

一方で、「落ち着けなくなるからもう行きたくない」「子どもが騒いでいたら他の店に行くかも」「店が狭いからベビーカーが邪魔になる」といった反対意見も見られた。女性1人でも気兼ねなく入れる飲食店、忙しい朝や仕事の合間にホっと一息つける場所だったのに、子ども連れが増えることで、なかなか席が空かなかったり、子どもで騒がしくなってしまうのではないかというのだ。

この新たなサービスについてどう思うか、そして反対の声をどう捉えるのか、街で聞いた。

30代夫婦(子ども1歳):
お店によっても離乳食をあげづらかったりする所もあるので、(離乳食を)お店で置いてくれてたら安心してあげられるかな。

実際に無料離乳食を利用した30代女性(子ども9カ月):
外食させるのが初めてだったのでドキドキしたんですけど、もし残したとしても試しやすいかな。スープストックは“おひとりさま”のイメージがあったので、(反対の)意見が出てくるのは当然だと思うし、なるべく迷惑をかけないようにしようと思う。

30代女性(子ども2歳):
店内が狭いのでちょっと行きづらいのもありますけどね。分けてあげるとか、ちょっとしたスペースを作ってあげると入りやすいかなと思います。

20代女性:
子育てしている人に関しても、荷物が多かったりとか、お子さんを連れてたりすると狭い席だと居づらいんじゃないかな、使いにくいんじゃないかなと思う。

40代女性:
ギャーギャーうるさいと、落ち着いて食べるって感じにならない。例えば、子どもスペースとか分けるとなると課題が大きいだろうし。だから良い面もあるし、ちょっとね…って、一長一短なところがあるかな。

「社会で子どもを育てる」

榎並大二郎キャスター:
私も子どもが生まれてから、行ける場所って限られるなと痛感しています。スープストックトーキョーに離乳食があるということでお店に行きやすくなるし、選択肢が増えるのは本当に有り難いんですけどね……。

宮司愛海キャスター:
こういった声が上がるということは、子連れの方々にとっては入りづらいお店がそれだけ多いということの裏返しなのかなという気がします。
私も、どうしても自分に余裕がない時は、ちょっとうるさいなとか思わない事もないとは全く言い切れないんです。でも、そういう時にハッと立ち止まって、「これじゃいけないんじゃないか」って、お互いに思いやる気持ちを持たないといけないなと思うきっかけになりました。

明治大学・齋藤孝教授:
難しい問題ですけど、1人で静かに食べたい時に、周りがうるさかったりするとちょっと疲れるっていうのもわかるんですよね。ただ、お子さんを連れてる人の態度というか、そのやり方にもよると思うんですね。「子どもが騒いですみません」というふうに挨拶するだけで、「しょうがない」と思うこともあるだろうし、子どもをあやしてくれる人もいるかもしれません。「自分たちは子どもを連れているんだから当たり前だ」というような、ちょっと“上から目線”の親だと反感を持たれるかもしれません。

やっぱり「社会で子どもを育てていく」というのが大事なんですよね。これはもう縄文時代以来、ずっとやってきたこと。個人で育てるんじゃなくて、社会全体で育てるという。そういうことを考えますと、お子さんが(飲食店に)来た時に、みんなで育てようよっていう空気作りが大事だなというふうに思います。

宮司愛海キャスター:
「なるべく迷惑をかけないように」と子連れの方がおっしゃっていたのを聞いて、迷惑をかけられた・かける、ということじゃなくて、もう少し前向きな気持ち同士で、お互いが触れあえると本当はいいのになあっていう気がしました。

スープストックトーキョーは今回のサービスについて、「お客さまのライフステージも変わり、ご家族やお子さまと一緒にご来店頂く方も増えてきた。小さなお客さまにもお食事を楽しんでいただける店でありたい」としている。

(「イット!」4月21日放送より)