4月から自転車に乗る際、ヘルメットの着用が「努力義務」になった。京都ではヘルメットを着けていなかった自転車の男性が死亡する事故も起きている。努力義務化で利用者の意識は変わるのだろうか。

京都では生死を分けた事故が発生

自転車に乗る全ての人を対象に、ヘルメットの着用が「努力義務」となってから約10日、改正道路交通法が施行される前の3月に取材したときと同じ時間帯・同じ場所で定点観測を行い、施行後、変化は表れているかを調べた。

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11日に観測した1時間でヘルメットを着用していた人は9.6%。3月と比べても、ほとんど変わっていなかった。

男性A(非着用):
(努力義務化は)知ってます。髪の毛が崩れるので

女性(非着用):
そんなに長距離乗らないので。努力義務だからいいかなと

男性B(非着用):
孫には着けさせているんですけど。マウンテンバイクに乗っていた時はかぶっていましたけど、あまりスピードが出ないママチャリタイプなので

着用は努力義務のため、かぶらずに運転をしても罰則はないが、死亡事故も起きていた。

9日、京都府京田辺市のサイクリングロードで、ロードバイク同士が正面衝突する事故が発生。62歳の男性が頭を強く打って死亡したが、男性はヘルメットを着用していなかった。

向かい側から来た女性(44)は肩や後頭部を打撲するケガ。女性はヘルメットを着用していた。

まさに生死を分けるヘルメット。JAFが行った自転車同士の実験映像でも、自転車に乗った親子が地面に頭を打ち付け、衝撃で跳ね返っている。

実験によると、ヘルメットを着けていない場合、着けている状態に比べて頭への衝撃が17倍に及ぶというデータもある。

愛知県では2022年、自転車事故で亡くなった20人全員がヘルメットを着用していなかった。

男性C(着用):
自分の身を守るものですし、自分も転んで(ヘルメットが)あったからよかったということがあったので

男性D(非着用):
(ヘルメットの効果を知ると)ヘルメットの重要性を感じるし、ちょっとかぶろうかなという意識にはなりますね

着用しないと命の危険もある自転車のヘルメット。法律が変わっても利用者の意識が変わらない限り、同じような事故は起きかねない。

(東海テレビ)

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