いつも笑顔をほころばせながら、数々の動物たちと触れ合い、心を通じ合わせてきたムツゴロウさんが亡くなった。

猛獣とも心を通わせたムツゴロウさん

動物学者で作家の“ムツゴロウ”こと畑 正憲さんが、心筋梗塞のため4月5日、北海道内の病院で亡くなった。87歳だった。

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自らが作り上げた“動物王国”やテレビ番組などを通じて、動物との関係はどうあるべきか人々に伝え続けてきたムツゴロウさん。

その優しい語り口を聞くことは、もうできない。

1935年生まれの畑さんは、東京大学で生物学を学んだ後、会社勤めを経て作家に転身。
“ムツゴロウ”の名で、小説やエッセイを数多く発表した。

そして、動物との共同生活を目指し北海道に移住。
1972年に「ムツゴロウ動物王国」を設立した。

そんなムツゴロウさんの名を一躍有名にしたのが、フジテレビ系で放送されたテレビ番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」。

2001年放送:
ゾウの気分をみるのはここ(口)なんですよね。ここがこういうふうにやわらかいときは、ゾウが怒っていないんですよ。一番リラックスしている時なんです

“動物たちとの交流”を紹介したこの番組。
ヒグマをはじめ、人間にとって危険なイメージがある“猛獣”とも全力でじゃれ合い、スキンシップを図った。

1980年にスタートし2001年まで続いた「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」シリーズ。
動物番組の先駆けとして多くの視聴者の心を掴んだ。

坂上 忍さんが追悼「レベルが違った」

ムツゴロウさんからの影響を受けた1人が、動物番組でも共演した俳優の坂上忍さん。

榎並キャスターが6日話を聞くと、坂上さんにとって“はるか遠い目標”だと明かした。

坂上 忍さん:
(会ったときに)ほとんど僕がムツゴロウさんに“質問責め”。質問責めに対しては、なんでも答えてくださる方だけど、(動物との向き合い方の)「レベル」が違う。“自分が信じた道をまい進する”お姿は、なかなかまねできない

晩年になっても、様々な場を通じ“動物との関わり方”を伝え続けたムツゴロウさん。

一方で、6年前に心筋梗塞で緊急入院。その後も入退院を繰り返すなど病とも闘っていた。

最後のメッセージとなったのは、3月26日に配信されたYouTube「ムツゴロウの656」。
「犬と心は通じ合うか」について話していた。

YouTube「ムツゴロウの656」より:
“心のつながり”っていうのは、犬と人間が同じことをする上でこそ「絶対に必要」だと思ったものですね

葬儀は4月7日、北海道の自宅で執り行われるという。

(「イット!」4月6日放送より)