日本では毎年、多くの野犬が保護されている。だが、野犬は警戒心が強くて懐きにくく、殺処分されることも多いのが現状だ。

野犬について関心を持っている人が多い中、愛知県武豊町から発信されたYouTubeの動画が話題になっている。再生回数は30万回以上、野犬が家族になるまでの道のりが描かれている。

「想像をはるかに超えて大変だった」けれど…、今となっては良い思い出

愛知県武豊町で農家を営む、山崎陵子さん(48)がアップした動画。おいしそうに肉を食べるのは空(そら)くん。

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もともと野犬だった空くんを保護するまでを記録したこの動画は、2023年1月にアップされて以降、再生数は30万回以上と注目されている。

保護までにかかった月日は実に2年。

出会いは6年前、2017年の春、畑仕事中に白い犬を発見した。この時は、近づくと逃げてしまったという。

同じ年の秋に再び現れると、まっすぐと山崎さんを見つめてきた。

その目の青さから「空」と名付け、一緒に昼寝や散歩をするなど、少しずつ距離を縮めていった。

しかしこのころ、町のHPで「野犬注意」と謳われ、近所の人から「野犬を手なずけている」と役場に訴えられたこともあった。

山崎さんは「そろそろ保護しなければ」と焦りながらも、警戒心が強い空くんを不安にさせないよう、じっくりと信頼関係を築きながら保護できるチャンスを待つことにした。

その後、たまたまビニールハウスにいたタイミングで捕獲に成功。

保護施設で訓練したのち、3年前(2020年)、家に迎え入れた。

慣れない家での生活に戸惑うことも多かったものの、山崎さんが元々飼っていた保護犬のコウくんとも仲良くなり、徐々に慣れていったという。

この動画には「辛抱強く空さんと接して、引き取って無事ご家族にされた努力と優しさに頭が下がります」などといったコメントが寄せられた。

山崎さんは「成犬の野犬を家庭生活に慣れさせるということは、想像をはるかに超えて大変だったけれど、今となっては良い思い出です」と話していた。

(東海テレビ)

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