朝の気温が下がると注意が必要なのは、サクランボの霜被害だ。2023年は、気温を正確に把握しながら「早めの対策」が必要になっている。

気温の把握に欠かせない「低温アラート」

この記事の画像(9枚)

山形県は例年、サクランボの花芽が霜の被害に遭いやすい4月に、集中的に対策を呼び掛けている。しかし、2023年は3月の気温が高く、生育が早いことから、すでに被害に遭いやすい時期に入っていて、前倒しで28日から活動をスタートした。天童市で行われた出発式では、生産者の代表が対策への意気込みを宣言した。

指導農業士・武田弘幸さん:
この時期の果樹において重要な作業は、花芽を霜から守ること。速やかに準備し、万全の態勢で臨むことが必要

ヒーターで園地を温めることも対策の1つ
ヒーターで園地を温めることも対策の1つ

出発式のあと、市内の武田さんの園地に移動し、霜対策で何が重要か確認された。サクランボの花芽を霜から守るには、ヒーターで園地を温めるなど、気温を見ながらの対策が重要で、正確な気温の把握が大きな鍵になる。

指導農業士・武田弘幸さん:
低温アラートという装置で、スマホで温度を見て、起きてきて暖房をつける

重要な役割を果たす「小型気象観測装置」
重要な役割を果たす「小型気象観測装置」

サクランボの霜対策で重要な役割を果たすのが、小型気象観測装置。園地の気温を観測し、生産者にメールで伝えるシステムを、県が2022年から運用している

気温がメールで通知される「低温アラート」
気温がメールで通知される「低温アラート」

この小型気象観測装置は、県内50カ所に設置されていて、「やまがたアグリネット」に登録すれば、無料で最寄りの地点の現在の気温が「低温アラート」としてメールで通知される。正確な気温の把握とともに負担軽減にもなっている。

指導農業士・武田弘幸さん:
以前は1回1回外に出て、温度計を見て確認していたが、布団の中でも見られるのですごく助かっている。2023年は、やまがた紅王のデビューの年なので、しっかりした果実をならせて、おいしいものを皆さんに届けたい

県は生産者に「やまがたアグリネット」への登録と、霜対策の早めの準備を呼びかけている。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
さくらんぼテレビ

山形の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。