4月からヘルメット着用が努力義務に
日常生活で多くの人に使われている自転車。通勤の時間帯に街で自転車に乗っている人を取材してみると、大人はほとんど誰もヘルメットをかぶっていなかった。
取材中にも事故が起きそうになりヒヤリとする場面も…
子どもを乗せている2人乗りの自転車も、子どもがヘルメットをかぶっているのに対し、乗せている母親はヘルメットをしていなかった。
実は4月から道路交通法が改正され、ルールが変わるのをご存じだろうか？
これまで、自転車のヘルメット着用は「13歳未満への努力義務」だけだった。
しかし4月1日からは、自転車に乗る「全ての人にヘルメット着用の努力義務」が課されることになった。
街の人からは…
ヘルメットしていない人A：
確かにヘルメットはあった方が安全なのはよく分かります。ただスカートが多いので、ヘルメットかぶりたくはないですね、本音を言うと…
ヘルメットしていない人B：
大切だなとは思うんですけど、やっぱり髪型が崩れるのが嫌かなっていうのは思いますけど。ヘルメットって結構高いんですよね。子供用のは5000円ぐらいしたんですよ
4月以降の着用は努力義務なので、着用しなくても罰則はない。
ヘルメットなしの致死率は2.2倍に
しかし自転車事故の映像を見ると、ヘルメットの重要性を実感する。
埼玉県蕨市で去年撮影された事故映像。青信号に変わり横断歩道を渡ろうとする自転車に、車道を走る自転車が赤信号無視で突っ込んできて激しくクラッシュ。
2人とも地面にたたきつけられた。
転倒した際に頭を打ち、大けがにつながることもある。
普段からヘルメットを着用している人は「身を守るために欠かせないアイテムだ」と言う。
ヘルメット着用していた人A：
自転車に乗っていて何回か転倒したことがあって、けがをしたことがあるので、つけないよりはやっぱりつけてる方がいいですからね
ヘルメット着用していた人B：
万が一のこともあるので、ヘルメットは自分の命を守る意味で必ずしています
警察庁のデータで自転車に乗っている時の事故で死亡した人のうち、頭部が致命傷となったのが58％、胸部が12%、頸部（けいぶ）が8%と、頭部が圧倒的に多い。
また、ヘルメット着用した場合の致死率が0.26%なのに対し、ヘルメットなしの致死率は0.59%と約2.2倍になっている。
ヘルメットに助成金を出す自治体も
東京都の中で去年、自転車事故件数が一番多かった足立区では、ヘルメットの着用率を上げる取り組みが行われている。自転車販売店を取材すると…
買い物客：
（ヘルメットを指さしながら）これ全部5000円台？
店員：
そうですね。足立区であれば助成金で2000円引かれるので…
足立区では区民を対象に2000円引きで自転車用ヘルメットが購入できる割引が3月10日からスタート。
例えば税込み6050円の値札がついたヘルメットは4050円で購入できる。
サイクルベースあさひ 保木間店では、今年1月にヘルメット売り場のスペースを広げ、買いに来る人も増えたという。
サイクルベースあさひ 保木間店・江川伸之助店長：
当店に置いてあるヘルメットは全て（割引）の対象となっております。普段より10倍ほど多くご購入していただいております
間もなく始まる新しいルール。自転車に乗る人の多くはヘルメットをつけた姿へと変化していくのだろうか。
（イット！ 3月23日放送より）
