強制退去処分になった外国人を迅速に送還し、入管施設における収容期間の長期化を改善することなどを目的とした、入管法の改正案が閣議決定された。

現在の入管法では、難民申請の回数に上限がなく、申請中は強制送還の対象にならないと定められている。このため、国内で重大犯罪を犯した外国人やテロリストでも、強制的に国外退去させられないとの問題が指摘されている。

また、こうした現状により、強制送還を拒否する外国人が、入管施設に長期間収容されている他、一定条件の下、入管施設の外で生活することができる「仮放免」中に逃亡する外国人が相次いでいるとされる。

きょう閣議決定した改正案では、3年以上の実刑判決を受けた外国人や、3回目以降の難民申請者は強制送還の対象になることや(難民申請は原則2回まで)、施設収容の代わりに、施設外で外国人を監督する「監理措置」の導入などが盛り込まれた。

入管法の改正案をめぐっては、おととしの通常国会で、スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが収容中に死亡した問題が発覚し、廃案となった経緯があり、再提出のタイミングが注目されていた。入管法改正の国会での審議入りは4月の統一地方選挙後になるとみられている。