トルコ南部で発生し5万2000人以上が亡くなった大地震から、3月6日で1カ月となる。支援の遅れも指摘され、被災地ではいまだ多くの人がテントでの生活を余儀なくされている。

トルコだけで最大2億1000万トンのがれき
2月6日に起きた大地震では、トルコとシリアを合わせてこれまでに5万2000人以上が亡くなった。

被災地では救助作業は終わり、がれきの撤去作業が本格化しているが、完全に倒壊していない建物は、重機の不足もあり多くが手つかずのままだ。

国連は、トルコ国内だけで最大2億1000万トンのがれきが発生するとしている。これは東日本大震災のおよそ10倍あたる。

一方、避難者のおよそ140万人がテントでの生活を余儀なくされている。

被災したエルカンさんは、地震発生日からひとつのテントに3家族10人で生活している。

エルカンさん:
子供たちは頻繁に病気になり風邪をひく。日中はいいが夜はとても冷える。子供たちの心理状態も不安定だ。テントが揺れると「地震だ!」と言って外に飛び出す。

ここでは地元のNGO団体が食事を提供し支援している。NGO団体関係者は「100年に1回あるかないかの大きな被害を受けた。地震の傷が癒えるまで避難者のそばに居たい」と話す。

不足する仮設住宅
こうした中、急ピッチで進められているのがコンテナの仮設住宅の設置だ。

しかし数が足りず、入居できたのは高齢者がいる家族などおよそ4万6000人にとどまっている。

また、政府は46万8000世帯分の住宅の建設を始めた。避難者は建設費用の4割で購入でき、東部・マラティヤで作られる1100世帯分は2023年11月には引き渡される予定だ。
避難者の生活は改善しているものの、元の生活に戻るには長い道のりとなりそうだ。
この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。
ギャラリーページはこちら(18枚)