性感染症の「梅毒」の患者が、都内で過去最多となっていることを受けて、東京都が、無料の臨時検査所を開設した。

東京都によると、2022年に都内で報告された梅毒患者は3677人にのぼり、過去最多となった。患者数は、毎年1・5倍のスピードで増え続け、10年前の12倍に達しているという。

また、男性は20代から50代まで幅広い年代で感染がみられるのに対し、女性では20代が951人と、突出して多くなっているとのこと。

「梅毒」無料検査所の様子(3日午後 東京・新宿区)
「梅毒」無料検査所の様子(3日午後 東京・新宿区)
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この事態を受けて、東京都は、きょうから都内4か所で無料検査を実施。インターネットや電話での事前予約制で予約枠はそれぞれ40人となっている。

検査の申し込みには、名前や住所は不要。受付から1時間程度で、検査結果と医師の説明を受けることができる。正確な結果を知るには、感染の機会から1か月後以降に検査を受けると良いとのこと。

小池知事は、きょうの定例会見で、「定員を上回る勢いで予約が入っている」と明らかにした上で、今月22日から3日間、検査日を追加することを発表した。

記者会見を行う小池知事(午後2時ごろ 都庁)
記者会見を行う小池知事(午後2時ごろ 都庁)

東京都の担当者は「風俗産業の従事者が、これまで過半数をこえていたが、従事歴のない人もここ数年増えてきている。特定のパートナーが相手でも、その相手に風俗業の利用歴があったり、金銭的な支援などで、不特定多数の人と繋がる例がみられている」として、これまで「ハイリスク」とみられなかった人への感染の広がりを指摘している。

さらに、感染の初期段階では症状が消えて、梅毒が治ったと誤解するケースも多いという。東京都では、感染が確認された場合や、感染したかどうか不安な人は、医療機関で受診するよう呼びかけている。