「ロッテリア」が、牛丼チェーンの「すき屋」などを展開するゼンショーの子会社になる。

“外食最大手”がロッテリアを買収

16日、ロッテホールディングスは、ハンバーガーチェーン店「ロッテリア」の全ての株式を、「すき家」や回転ずしチェーン「はま寿司」などを運営するゼンショーホールディングスの子会社に売却すると発表した。

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売却は4月1日を予定していて、「ロッテリア」のブランドは売却後も一定期間継続される。

「ロッテリア」を子会社化するゼンショーホールディングスは、2000年にファミリーレストランを展開する「ココスジャパン」を買収すると、2年後には同じくファミリーレストランの「ビッグボーイ」を買収。

その3年後には牛丼チェーンの「なか卯」を傘下にするなど、次々と買収を進めてきた。

2022年度のグループ全体の売り上げは約6585億円にのぼり、外食最大手となっている。

ゼンショーは「グループの食材調達、物流、店舗運営機能などとのシナジー効果が、今後のロッテリアの事業拡大や発展に寄与するものと判断した」とコメントしている。

ロッテリア買収で海外展開の本格化も視野に

「Live News α」では、マーケティングアナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。

小澤陽子 キャスター:
ゼンショーホールディングスによるロッテリアの買収、その狙いについて、渡辺さんはどうご覧になりますか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
牛丼の「すき家」や、回転寿司の「はま寿司」などを展開するゼンショーホールディングスは、2011年に「マクドナルド」を抜き、日本の外食産業の最大手のポジションにある。

国内のハンバーガーチェーンは「マクドナルド」、「モスバーガー」による寡占が進んでおり、自社ブランドで対抗するのは、なかなか難しい。

そこで全国で約350店舗を展開する「ロッテリア」を買収することで、総合外食企業として、いよいよ最後のピースを手に入れた形になる。

今回の「ロッテリア」の買収によって国内基盤を強化するとともに、海外展開の本格化も視野に入ってくるのではないか。

小澤陽子 キャスター:
確かに、日本の外食企業の店舗を海外、とくにアジアで見かける機会も増えましたよね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
人口の縮小によって国内市場がシュリンクしていくため、外食大手各社は海外戦略を強化している。

ロッテリアもアジア展開を積極的に進めていて、韓国、台湾、ベトナム、中国などに出店していて、なかでも韓国では、現地の「マクドナルド」を超える店舗数を誇っている。

日本の外食産業の海外進出、特にアジアでの展開では日本食を代表する回転寿司とともに“ジャパニーズハンバーガー”も有望視されている。

ハンバーガーチェーンの強みは“時代に適合”

小澤陽子 キャスター:
なぜ、“ジャパニーズハンバーガー”の海外展開が有望視されているのでしょうか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
ハンバーガーチェーンが強みは、オーダーから会計までの時間が短く、あらゆる場所でワンハンドで食べることが出来る。さらにテイクアウトやデリバリーも可能なため、いまの時代にあっている。

さらに世界には宗教的な理由で牛肉や豚肉をタブーとする国があるが、ハンバーガーの場合、チキンに変えることができるなど現地で歓迎される場合が多い。

ゼンショーホールディングが国内市場で勝ち上がったノウハウを武器に、海外で成長をはかることを期待したい。

小澤陽子 キャスター:
「ロッテリア」の美味しさに親しんできた方は多いのではないでしょうか?経営の母体が変わることで、さらに、私たちの満足度が高まり、その魅力がもっと世界に広がるかもしれません。今後の動きを注視していきたいと思います。

(「Live News α」2月16日放送分より)

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