この記事の画像(14枚)

過去10年で最多の飛散量になると予想されている「スギ花粉」。

「めざまし8」が都内のクリニックを取材すると、雨の中でも約50人の患者が受診に訪れていました。

多くの患者が訪れた、東京都練馬区・大泉学園耳鼻咽喉科
多くの患者が訪れた、東京都練馬区・大泉学園耳鼻咽喉科

大泉学園耳鼻咽喉科 保谷則之院長:
今年はとにかく花粉症の患者さんの出足が早くて、2週間ぐらい例年より早いというのが印象です。

異例の“花粉シーズン”になりそうな、この春。

そんな中、3月13日からマスク着用ルールが緩和されます。花粉症のピークと重なる“マスク緩和”の時期…、これまで使い続けてきたマスクを外すことで、体に思わぬ影響が出るかもしれません。

免疫力低下で合併症…マスク着用ルール緩和がトリガーに?

マスク着用緩和でも、マスクを外すときは注意が必要
マスク着用緩和でも、マスクを外すときは注意が必要

政府は3月13日から、マスク着用について原則「個人の判断に委ねる」というガイドラインを発表しました。

花粉症でない方は、マスクを外す機会が増えるかもしれませんが、注意が必要です。日本医科大学の大久保公裕教授によると、これまでの長期のマスク生活によって“体の変化”が起きているというのです。

マスクをすることで、“異物”が体内にあまり入り込まない期間が続いていたため、花粉に対して敏感な体になっており、花粉症になりやすく、また重症化する可能性があるといいます。

さらに、免疫力も低下しており、風邪や副鼻腔炎・咽頭炎などの合併症を引き起こす可能性も…。

ハピコワクリニック五反田 岸本久美子院長
ハピコワクリニック五反田 岸本久美子院長

アレルギー専門医である、ハピコワクリニック五反田、岸本久美子院長も、今まで花粉症になっていなかった人も注意が必要だといいます。

ハピコワクリニック五反田 岸本久美子院長:
今年はとにかく飛散量がとても多いので、花粉症デビューされる方も多いのではないかと思っています。

「過去10年間で最大」スギの花芽の形成に好条件

環境省によると、花粉飛散量は関東・北陸・近畿・中国地方で極めて多くなり、東京・京都・福岡など12都府県で花粉を生み出すスギの雄花の量が「過去10年間で最大」になっているそうです。

なぜ、2023年は花粉の飛散量が過去10年で最多になるのか?
天達気象予報士によると、2021年~2022年に花粉飛散量が少なかった地域が多く、スギの木に花芽を形成させるエネルギーが蓄えられていたため、多く花芽が形成。さらに2022年夏(6~8月)は、梅雨前線の活動が弱く、降水量が少なく、また高気圧が強まり、かなりの高温になったことから「高温・多照・小雨」になり、スギの花芽の形成に好条件がそろい、花芽の形成が促進されたということです。

飛散いつから?ピークは?花粉が多く飛ぶ「3K」

東京都によると、花粉の飛散量は例年の2.3倍。飛散量が多いとされる日は、東京23区内で51日間と予想されています。

日本気象協会が発表している「飛びはじめ予想」では、2月中旬から3月初旬にかけて多い予想です。2月11日予想だった東京都も、10日にスギ花粉の飛散が確認されました。これは2022年より5日早い飛散開始です。

花粉が多く飛ぶ”3K”
花粉が多く飛ぶ”3K”

天達気象予報士によると、2月18日から20日かけての3日間、気温も高く飛散に注意が必要です。さらに、花粉が多く飛ぶ条件として“3K”というものがあります。これは「快晴」「乾燥」「強風」の頭文字です。

飛散のピークいつなのか?福岡ではすでにスギ花粉のピークをむかえています。そのほかの地域も、3月上旬にはスギが、下旬頃からヒノキのピークが訪れます。

東京は、スギが2月上旬から3月下旬まで。ヒノキが4月上旬から下旬までと期間が長いので、特に注意してください。

ハピコワクリニック五反田 岸本久美子院長:
今年は花粉の飛散量が多いというのはご存じかと思いますが、同時にマスクを外す流れになっています。開放感あふれて外でマスクを外して過ごされる方、多いかと思うんですけど。花粉はその辺、容赦をしてくれませんので。

外に出て、なにかお出かけになるときは、やはりマスクを付けていただいた方が、“花粉症”という観点ではよろしいのかなと。

(めざまし8 「わかるまで解説」より2月14日放送)