知床のサケ漁師が漁や加工の様子をSNSで発信し、注目を集めている。不漁が続く中、地元の魚の価値を高めたい…そんな思いを抱く 若手漁師の挑戦を追った。

「知床の魚をPR」若手漁師の挑戦…

サケ漁師・圓子瑞樹さん:
いい色だね。ピカピカでうまそう。サケを新巻きにします

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スマートフォンの前で、話しながらサケを切る男性。斜里町ウトロの漁師・圓子瑞樹さんだ。

圓子さんがしているのは、SNSアプリTikTokのLIVE配信。

サケ漁師・圓子瑞樹さん:
知床の魚をPRする。漁師なので、自分たちのとっている魚の付加価値を上げたい

サケ漁師・圓子瑞樹さん:
おはよう。ありがとう、来てくれて。塩をまぶして身にすり込んで、熟成させる。それが新巻き

"漁師のありのまま"をTikTokで発信

圓子さんは2年前からTikTokで漁や加工の様子を投稿している。重視しているのは、漁師のありのままの姿を伝えること。

漁師飯やリアルな仕事内容を紹介する投稿などもあり、再生回数が90万回を超えるものもある。

SNSで発信を続けている圓子さんだが、背景には地元のサケの価値を高めたいという思いがある。

これまでサケの漁獲量日本一を誇っていた斜里町だったが、近年は不漁に悩まされ、現在の漁獲量はピーク時の3割程にとどまっている。

サケ漁師・圓子瑞樹さん:
ウトロのサケ漁の未来に不安があり、自分の中でできることないかなと考えたときに『PRしよう、付加価値上げよう』というのがきっかけでした

SNS「食べてみたい」の声に立ち上げ 

圓子さんは2021年、自ら水産加工会社を立ち上げた。

SNSを見た人から「食べてみたい」などの声が相次いだからだ。 

販売しているのは、イクラやサケ、ホッケなど、自慢の海産物。

これまで5000人から注文が入った人気ぶりだ。