1月28日からの大雪で道路が寸断され、一時集落の孤立が発生した鳥取市佐治町。31日、集落を訪ねてみると、大雪災害への備え、そして、孤立につながったある要因がみえてきた。

食料購入し大雪に備える住民も

道路復旧を行っている様子(1月28日)
道路復旧を行っている様子(1月28日)
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鳥取市佐治町では1月28日、大雪による倒木などで道路が寸断。最大で約7時間にわたり、358世帯798人が孤立状態に陥った。

復旧後の道路
復旧後の道路

松尾直明記者:
一時寸断されていた国道は今では問題なく通行できるようになっています。山の方を見ますと、撤去された倒木が見えます

山あいの集落、鳥取市佐治町津野地区。
28日午後から約30時間にわたって停電が続いた。31日朝、住民に当時の様子を聞くことができた。

津野地区の住民・青柳重明さん:
停電があったので、仏壇用のローソクを持ってきて照明がわりにした。大雪に備えて、長めのローソクを買っている

日ごろから大雪などの災害に備えていた。その備えは台所にも。

津野地区の住民・青柳重明さん:
インスタントラーメンを、先週雪が降る前に準備した。買っておかないと怖いので。こういうものが一番重宝する

オール電化の住民は何もできず…

一方、こちらの住民は…。

津野地区の住民・茂上幸公さん:
(停電で)風呂に入れなかった。汗をかいていて、身体を拭くにも水は寒い。そのまま布団に入って、丸くなって寝た

こちらでは、熱源を全て電気で賄う「オール電化」を導入。

ーー調理場は?

津野地区の住民・茂上幸公さん:
全然、何もつかず。こういうときはどうしようもない

停電のため、調理器具や暖房、給湯などが全く使えなかったという。

融雪装置が老朽化で動かないものも

さらに、今回の取材で、集落孤立のひとつの要因が見えてきた。

老朽化して水が少ししか出ない融雪装置
老朽化して水が少ししか出ない融雪装置

松尾直明記者:
雪をとかすこの融雪装置。老朽化によって水管が劣化していて、ところどころ、水がでません

豪雪地域で、主要な道路の積雪を抑えるため設置されている融雪装置。津野地区では、地区内の市道に約500メートルにわたって備えられているが、設置から30年以上が経過し、さびが目立つ。

融雪装置が動かないため通行止めの道路も
融雪装置が動かないため通行止めの道路も

水が十分出なくなっているものもあり、今回の大雪ではうまく作動せず、ところによっては、除雪車の通行が難しいほどの積雪につながったとみられる。

津野地区の住民・青柳重明さん:
融雪装置が働いていないので、雪が消えない。通行止めにせざるを得ない。改善を市にお願いしているが、なかなか予算が取りづらいのか…

こうした現状について、市の担当者は…。

鳥取市佐治町 総合支所産業建設課・竹本浩一課長:
融雪装置の不具合が起きているという認識はあるが、改修するには費用面もあり、まだ具体的な計画が立っていない

道路や橋など公共インフラをどのように維持管理していくか。今回の大雪を教訓に、防災面からも老朽化への対策が急がれる。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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