普段あまり食べることがない“熟す前のバナナ”をおいしくいただく、エコな取り組みが始まっている。

東京・府中市のジュース店「BANANA STAND」

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販売されているのは、一見普通の黄色いバナナに見えるが、「グリーンチップバナナ」と呼ばれる先端が緑色のバナナで作られたジュースだ。値段はMサイズで440円 Lサイズで540円

なぜ熟す前のバナナでジュース?

「BANANA STAND」にバナナを提供しているのは、果物の生産販売大手のドール。2021年から“もったいないバナナ”プロジェクトを立ち上げ、2025年を目標に廃棄ゼロを目指すとしている。背景にあるのが、バナナの大量廃棄だ。

日本だけで毎年1000トン以上の規格外のバナナが廃棄されている。

廃棄されるバナナの多くが熟しすぎて、茶色くなっているものだが、中には熟す前の段階で傷ついてしまったものもある。それが今回、ジュースのもとになった「グリーンチップバナナ」だ。ドールは熟す前のバナナを活用することで、フードロスの削減に役立てているとしている。

ドール マーケティング部・成瀬晶子シニアマネージャー:熟度に多少問題があっても味や中身には品質が全く問題無いことを少しでも多くの消費者の方に理解していただきたい。現地の産地では年間2万トンの規格外のバナナがあり、これを活用していくことに注力していきたい。

普通のバナナジュースはバナナらしい甘さが特徴なのに対し、「グリーンチップバナナジュース」はさっぱりとした甘みが特徴だ。

熟す前のバナナの方が腸活に効果?

さらに、健康にもいいと指摘するのは、腸内環境に詳しい順天堂大学の小林弘幸教授

「そもそもバナナには、腸内環境を整える効果がある。中でも「グリーンチップバナナ」にはレジスタントスターチという腸内環境を整える成分が完熟したバナナより多く含まれている。また、バナナを食べ続けることで免疫力の向上やストレスの解消につながることが研究で証明されている」

「グリーンチップバナナ」を食べて 家でもエコ

最近、「グリーンチップバナナ」を販売するスーパーも増えている。完熟バナナを購入しても、すぐに熟しすぎて茶色くなってしまう一方、熟す前の「グリーンチップバナナ」は保存期間が長い。家庭でのフードロス削減にもつながる。

また、ドールは都内のスーパーを中心に、一般的に束で販売されることが多いバナナを量り売りで販売。食べきれる量だけ購入したいというニーズに応えられる他、包装紙を使わないため脱プラスチックにもなる。

「グリーンチップバナナ」の可能性がますます広がりそうだ。

(1月26日「live news days」放送 盛海征、経済部・秀総一郎)