冷凍食品の自動販売機は、ここ数年で飛躍的に設置台数が増加。とんこつラーメンやタラバガニ、福岡市内の地下鉄にもアジフライの冷凍自販機が登場するなど、その勢いはとどまるところを知らない。
今、驚きの進化を遂げている冷凍グルメ。熱い視線が注がれている福岡の最新事情を取材した。

注目は「国際線の機内食」

まだ夜が明ける前の、2023年1月16日午前6時前。

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福岡市内の大型商業施設に真新しい4台の自動販売機が店内に運び込まれていた。

作業員:
冷凍自販機の設置をしています

福岡市東区の「イオンモール香椎浜」では、16種類の冷凍食品を購入することができる自動販売機を新たに設置した。

川崎健太キャスター:
ありました。設置されたばかりの冷凍食品の自動販売機です。ウナギのせいろ蒸し、これは面白いですね。飛行機の機内食、こんな冷食もあるんですね

中でも注目なのが、世界のグルメが楽しめる「国際線の機内食」を再現した商品だ。福岡にいながら、自宅で海外旅行気分を味わうことができる。

早速、「機内食」を購入する人が…。

購入した客:
焼き肉弁当みたいなやつで、台湾の機内食を買いました。コロナ禍で外食に行かなくなって、冷凍食品を使う機会が増えて

コロナ禍の「おうち需要」の高まりを背景に、熱い視線が注がれている冷凍食品。福岡県内でも冷凍食品の自販機が急激に増えていて、販売会社によると現在、九州での設置台数は800台以上にも及ぶという。

あさクリーン 須藤次則さん:
1台あたりの年間の平均売り上げは500万円とか。中には1,000万円を超えているところもあります

冷凍ハンバーグはおいしさ焼きたてレベル!

冷凍食品の自販機需要の高まりを受けて、新たな取り組みを始めた飲食店もある。

赤木希アナウンサー:
ありましたよ!商品を見てみると、本格的なメニューばかりです。というのも、この自動販売機は、隣の洋食レストランの自販機なんです

北九州市八幡西区にある洋食レストラン「ザ・ハウス・オブ・リンドマール」では、2021年10月、店頭に冷凍メニューが購入できる自動販売機を設置した。

ザ・ハウス・オブ・リンドマール 満永恵太総料理長:
コロナをきっかけに、お客さまが店内に来て食べることができないということで、何か提供できるものがないかと考えた時に、レトルトの商品を作って、それを自動販売機で売ろうと思いました

人気のハンバーグを食べ比べ!
人気のハンバーグを食べ比べ!

冷凍メニューの味に違いはあるのか? 赤木希アナウンサーが人気のハンバーグを食べ比べてみた。まずは、冷凍ではない「焼きたて」のハンバーグから。

赤木希アナウンサー:
脂のほどよいジューシーさもあって、あっさりしたソースがいくらでも食べられちゃいそうですね

冷凍ハンバーグのお味は?
冷凍ハンバーグのお味は?

次に冷凍メニューのハンバーグ。家庭で食べるときと同じ方法で10分ほど「湯煎」して出してもらった。見た目は、両者、大きな違いはないようだ。

赤木希アナウンサー:
ふわふわ感は変わらず、もっと脂の甘みを感じるような印象を受けるくらい。もしかしたら冷凍したものの方がよりおいしいかも…

一気に冷凍…作り方のこだわり

家庭でおいしく食べられるように「冷凍用のハンバーグ」は作り方に工夫があるのか?

ザ・ハウス・オブ・リンドマール 満永恵太総料理長:
両面焼き目を付けてオーブンで火を入れるんですけど、こちらでも独自の火の入れ方をしているので、そちらは「企業秘密」ということで

そして、焼き上がったらすぐに瞬間冷凍する。

ザ・ハウス・オブ・リンドマール 満永恵太総料理長:
今焼いた状態っていうのは、肉汁があふれ出ようとしているんですよ。そこを一気に冷凍して、閉じ込めることによって、真空包装した時に中にうま味が全部詰まっているっていう

この店では「自宅でレストランの味が楽しめる」と評判になり、今では冷凍の商品だけで月に15万円以上の売り上げになるという。店の経営を支える主力メニューとなっているのだ。

ザ・ハウス・オブ・リンドマール 満永恵太総料理長:
試行錯誤を重ねてこのレベルに行くまで結構、苦労があったので、何よりコロナでつらい状況があったので、こういったものを届けられるようになって本当にうれしいです

コロナ以降、冷食産業は「10年時代が進んだ」とも言われる中で各社がしのぎを削る今の「冷食戦国時代」は、今後、さらに激しいものとなりそうだ。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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