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18日、新春恒例の宮中行事「歌会始の儀」が皇居宮殿「松の間」で行われ、天皇皇后両陛下や皇族方が出席されました。

2023年のお題は「友(とも)」

天皇陛下は、高校生との交流を通じて、早く日常が戻るよう願った思いを詠まれました。

コロナ禍に 友と楽器を奏でうる 喜び語る 生徒らの笑み

そして、華やかなレースがあしらわれたオフホワイトのドレス姿で出席された皇后・雅子さまは…

皇室に 君と歩みし半生を 見守りくれし 親しき友ら

1993年、29歳の時に皇室入りし、“人生のちょうど半分”を皇室で過ごされた雅子さま。 長女・愛子さまの誕生、ご体調の移り変わり。その日々を見守って来た友人らへ感謝の気持ちを歌に込められたのです。

学習院大学3年生の愛子さまは、学業を優先されるため、この日、お姿はありませんでした。春には大学4年生になり、卒業の準備に取りかかられる時期。そんなお忙しい日々の中で作られた歌は、かつて、友人と一緒に歩いた学校の帰り道の思い出でした。

もみぢ葉の 散り敷く道を歩みきて 浮かぶ横顔 友との家路

コロナ禍で2022年、授業は主にオンラインで受け、お出かけもほとんどされていなかった愛子さま。その年の秋、もみじの葉に覆われたお住まいの皇居を散策されたときに、心に浮かんだ通学路での思い出を詠まれたものでした。

胸元に友人らからプレゼントされたネックレス 選者「感性がとても素直」

12月の21歳になられた際のお誕生日の映像では、胸元に友人らからプレゼントされたというペンダントをつけていた愛子さま。会えない中でも友人を大切にする、愛子さまのメッセージだったのかもしれません。

2004年から歌会始の選者を務め、愛子さまに和歌のアドバイスをしているという京都大学の永田和宏名誉教授は、愛子さまの歌をこのように読み解きます。

京都大学 永田和宏 名誉教授:
今年は、若々しい学生としての歌が自然と出てきたお歌になっていて、とてもよかったと思いますね。いつも会っていたのに(コロナ禍で)それができなくなってしまって、一人でもみじの散っている道を歩いている。その時に友達の横顔が浮かぶと、そのことだけを歌ってらっしゃるんだけど、それが社会の反映にもなっていると。

永田教授は、愛子さまに、たくさんの歌を詠んでいただきたいと言います。

京都大学 永田和宏 名誉教授:
感性がとても素直なんですね。
非常に素直に、自分の思いを自分の語彙の中から探して歌にされているのが、とてもいいと思います。歌一首作ると、その作った時間だけが特別な残り方をするんですね、自分の中で。だから今若い時にできるだけたくさんの歌を作っていただきたいという風に願っております。

2024年の歌会始のお題は「和(わ)」。
愛子さまはどのような歌を詠まれるのでしょうか。

(めざまし8「NewsTag」より1月19日放送)