石川県内で2022年12月、新型コロナで亡くなった人は69人と1カ月あたりで過去最高だった。そして2023年1月は19日時点で59人。このまま行けば過去最多を更新する。なぜここまで死者が多いのか、現場を取材した。

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死者が「増えている」というより「多くなる」第8波

金沢市の保健所。2022年9月に全数把握が簡素化された事を受け、65歳以上の高齢者や基礎疾患がある人など、重症化リスクが高い人を優先的に対応している。

いま最も多いのが…

金沢市保健所 職員:
一時的な熱だったということですね…。

金沢市保健所 職員:
であれば、この方も同様で療養解除でいいと思います。療養者はあと2名なので…頑張ってください。

高齢者施設で新型コロナが発生した場合、軽症の場合はそのまま施設内で看病をするケースがほとんどだと言う。

そのため、どういう対応をすればよいか、施設のスタッフから相談が増えているのだ。

金沢市保健所の越田理恵所長が、石川テレビに、ある書類を見せてくれた。

金沢市保健所 越田理恵所長:
これは、我々が日常の業務の中で、どの施設、どの医療機関でどういうことが起こっているかということを我々の情報網で集めたものなんですね。

全数把握をしなくなった事から、金沢市保健所は独自に情報を収集して、感染拡大がみられる施設に出向いているという。そこで、感染対策を指導するほか重症化の兆候がある患者がいれば入院調整を行っている。

金沢市保健所 折坂聡美医師:
行動制限もない中で施設にウイルスが最初入ってしまうのは止めることはできないんですけれど、そこから広がらないようにという感染拡大を防止することに力を入れています。

厚生労働省の調べでは、2022年12月1日から18日までに全国で新型コロナ感染により亡くなった人は1万7676人。新型コロナで亡くなった人の約2割がこの1カ月半で亡くなった。

また、年代について先週、加藤厚労相は次のように述べている。

加藤勝信厚労相:
死者は80代以上の高齢者の割合が多い。特により高齢者、年齢の高い高齢者のリスクが高い。

しかし、18日開かれた厚生労働省の専門家会議で、脇田座長は「現時点ではウイルスが変化して、重症率や死亡率が上がっているというデータはない」と指摘している。

ではなぜ県内でも死者数は増えているのか…。越田所長はこう分析する。

越田所長:
第7波と比べて、トータルの感染者数がおそらく第8波は7波を超えていると私どもは予想しています。そうなると当然ですけれども、一定の割合で命を落とされる方がいらっしゃるとすれば、死者が「増えている」というより「多くなる」という風に解釈するのが自然かなという気が致します。

石川県内ではインフルエンザによる学級閉鎖が3シーズンぶりに確認されるなど、心配されていた新型コロナとインフルエンザの同時流行が起きている。

こうした中、金沢市消防本部の管内では、救急車が3つ以上の病院に断られ現場での滞在時間が30分以上となる救急搬送困難事案が、2023年に入り1月17日まで61件起きている事を明らかにした。なお、最も多かったのは去年8月と先月の98件で、今月はこの件数を上回るペースとなっている。

行動制限が無い分、我々一人一人が感染対策をしっかりとしていく心構えをしていく必要が改めてありそうだ。

(石川テレビ)

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