旅行に行く機会が増え始めた今、気を付けたいのが車のトラブル。
観光名所、奥日光で「車が脱出できない」とSOSが…。対応するのはJAFの隊員だ。林道に入ってしばらく進むと、依頼者の男性を発見した。

友人とドライブ中、林道でUターンするはずが
JAF栃木支部 宇都宮北基地 後藤廉隊員:
まず、お車の状態を見させていただいて。

林道を斜めにふさいで立ち往生していたのは、白い乗用車。なんと縁石を乗り越え、笹薮に突っ込んでいた。

しかも、車体は縁石に乗り上げている。一体、何があったのか?

依頼した70代のドライバーに聞くと…。

男性ドライバー(70代):
車をUターンさせようとして、バックしようとしたら前に行っちゃったのね。操作ミスです。

Uターンするためバックするつもりが、間違って前進してしまったという。その衝撃の瞬間が、ドライブレコーダーに映っていた。

ノーブレーキで、斜めに突っ込んでしまった車。縁石を乗り越え、笹薮の中へ。

奥日光のドライブを友人と2人で楽しんでいた最中のハプニングに、運転していた男性は。

男性ドライバー(70代):
よくお年寄りの事故があるでしょ、アクセルの踏み間違え。「もう少し気を付ければいいのにな」という感じで見てたんだけど、まさか自分がこんなことになるとは思いませんでした。

急いで救出を始めるが、車体が縁石に乗っているため…。

JAF栃木支部 宇都宮北基地 後藤廉隊員:
(車を)引いちゃった方が早いんですけど、壊れちゃうので手作業で上げますから、お時間くださいね。

タイヤに亀裂 少しずつバックさせ車救出へ
ワイヤーロープで車を引っ張ると、車の底が縁石にぶつかり壊れる恐れがある。

そこで、まずジャッキを使って車を持ち上げ、縁石から車体を浮かせる。

次に、用意していた木材をタイヤの下に敷いていく。すると、隊員がある異変に気付いた。

JAF栃木支部 宇都宮北基地 後藤廉隊員:
タイヤがパンクしてますね。もう完全に薄くなっちゃってるんで、恐らくここに衝撃があったような跡がありますので、その時にパンクされたのかなという印象です。

タイヤには亀裂が入り、ホイールにも傷がついていた。

車を少しずつバックさせて、タイヤが木材から落ちないように、ギリギリでストップ。

JAF栃木支部 宇都宮北基地 後藤廉隊員:
(木材を移動させて)これを何度も繰り返していきます。

少しずつ少しずつバックさせて、約20分。ようやく救出に成功した。

しかし、スペアタイヤに交換しようとしたところ…タイヤの厚みが全然違う。
JAF栃木支部 宇都宮北基地 後藤廉隊員:
前のタイヤが駆動輪ということで、前輪が動く車なんですけど。そこに細いのを付けるのであれば、後ろに付けた方が安全と言えば安全です。

男性ドライバー(70代):
入れ替えで。
JAF栃木支部 宇都宮北基地 後藤廉隊員:
そうですね。
さっそく後ろのタイヤを外して、前へ付け替え。スペアタイヤを後ろにつけて、作業は無事終了だ。

取材班:
(スペアタイヤで)どれぐらいまで走れるんですか?
JAF栃木支部 宇都宮北基地 後藤廉隊員:
高速のスピードに関しては、時速80キロ以下という指定もありますし、最寄りの販売店さんまでという指定はあると思うので。
このあと男性はドライブの予定を変更し、近くの販売店へ向かうことにした。

男性ドライバー(70代):
3月にタイヤを4本替えて、2カ月ぐらい前に1本こすって替えて。1本3万円を4本替えて。この前1本替えて、また3万円が飛びます。普段はね、カミさんが運転してるんですよ。
取材班:
奥さんにひと言、何かありますか?

男性ドライバー(70代):
ごめんなさ~い。

男性はJAFの会員だったため、基本料と車の引き出しは無料。かかったのはタイヤの交換料金のみ。2850円だった。
鍵をトランクに置き忘れ…ドア開かず
今度は、日光の観光名所「華厳の滝」の駐車場から緊急依頼が入った。

依頼したのは、観光で千葉県から夫婦できた70代の男性。

男性ドライバー(70代):
土産をトランクに入れて、カギ入れたまんま閉めちゃったんですよ。

お土産を入れた時に、カギをトランクに入れっぱなしにしてしまい、全てのドアが開かなくなったそう。

男性ドライバー(70代):
ずーっとコロナでどこも出かけなかった。(コロナ禍の旅行は)初めて今日来たんですけど…。あ~本当、イヤになっちゃいましたよ。

隊員は運転席のドアを開けるため、カギ穴に特殊な工具を入れ、作業を始めた。

そして、作業開始から約6分。ガチャッと解錠音が聞こえた。

JAF栃木支部 宇都宮北基地 菊池弘佳隊員:
はい、すみませんでした。
男性ドライバー(70代):
はい、ありがとうございました。(トランクを開けて)カギありました。

取材班:
ここに置いていたんですね?

男性ドライバー(70代):
お土産をこの中に入れて、それで閉めちゃったんですよ。いや〜うれしいですよ!助かりましたよ本当に。

今回の料金は、1万3130円だった。

「渋滞なのに道をふさいでしまう」親子に何が
続いて、日光東照宮の参拝者からSOS。

依頼したのは宇都宮からきた20代の男性と、大阪からきた父親。何があったのか?

父親:
エンジントラブルで動かなくなったんで。
息子:
ていうか、煙がちょっと出て…。

取材班:
煙ですか?

息子:
はい。結構出てましたね。正直ビックリ!これは初めてだったんで。

この日は土曜日。多くの観光客で日光東照宮へ続く道は大渋滞。

坂道でノロノロ運転をしているうちに、なんとボンネットから勢いよく煙のようなものが吹き出たという。

父親:
ここで止まったらどうなるかなと…。この渋滞の上に道がふさがったら、他人さんにも迷惑かけるんで。

いつ止まるのかとハラハラしながら、ここまで来たそう。原因を調べてみると…。

JAF隊員:
下のカバー触ったんですけど、これ冷却水なんですね。たぶん漏れてるんだと思います。いわゆるオーバーヒートですね。

エンジンを冷やすための冷却水が漏れて量が少なくなり、水温が急上昇。水蒸気になって吹き出ていたという。
JAF隊員:
今はもう冷却水が少ないので、走らせない方がいいと思いますから。

10年ほど乗っていた車は走行不能に…。近くのカーショップまで、けん引されることになった。

しかし、大渋滞のため駐車場を出るのにも一苦労。通常、20分ほどで着くカーショップまで、2時間近くかかったという。
誰にでも起こりうる車のトラブル。事故につながる恐れもあるので注意しよう。
(「イット!」1月16日放送)