受験シーズン、頑張る受験生たちの精神的な支えとなるのが「ゲン担ぎ」だ。縁起がいいラーメンや醤油、お守り…さらには「絶対落ちない」おみくじロボットまで。福岡に存在するゲン担ぎアイテムやグルメを紹介する。

すべてがゲン担ぎ!一蘭の「合格セット」

福岡で合格祈願のスポットといえば、学問の神様が祀(まつ)られている太宰府天満宮だ。その参道そばに店を構える人気ラーメンチェーン「一蘭」では、受験生の合格を願い、特別セットを提供している。

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価格は1,410円。券売機に2,000円を入れると、お釣りが590(ごうかく)円出てきた。

テレビ西日本・日高真実リポーター:
合格!を思わせる数字。早速、縁起がいいですね

「590(ごうかく)円」を受け取る日高真実リポーター
「590(ごうかく)円」を受け取る日高真実リポーター

ちなみに備え付けの合格袋にお釣りを入れて「お守り」として持ち帰ることもできる。
さらに、店内にも「絶対に落ちない」ハンガーや「トオル」サイズのコップなど、至るところに縁起物が!

そして、合格セットを出すときは…。

店員:
合格です!

テレビ西日本・日高真実リポーター:
声かけが「お待たせしました」とか「合格セットです」ではないんですね。力をもらえます

「合格です!」の声とともに運ばれてきた合格セット
「合格です!」の声とともに運ばれてきた合格セット

チャーシューなどの追加トッピングがついた太宰府参道店限定の合格セット。器は「合格」にちなんで、「五角形」の形となっている。

そして、最大の特徴は麺にある。

テレビ西日本・日高真実リポーター:
ん!? 麺が驚くほど長いです

すすってもすすっても、なかなか食べ終わらない。なんと麺の長さは、「合格」にちなんで59cm。通常の麺の約2倍あるこの麺は、合格セットのため特別に開発されたものだ。

また、スープは「すんなり通る」よう、器の角から飲み干すのがポイントのようだ。

テレビ西日本・日高真実リポーター:
(飲み干すと)器の底に「決定」という文字が現れました。店に来てから食べ終わるまで、ずっと背中を押してもらえるので、受験生の皆さんにとっては心強いですよね

器の底には「決定」という文字が
器の底には「決定」という文字が

この合格セットは、受験シーズンに限らず年間を通して提供されているが、受験の前日や当日に食べに訪れる学生が多いという。新型コロナ流行前、店に設置されていたノートには、いくつもの合格報告が届いていた。

一蘭広報・坂根愛野さん:
やはりうれしい思いですね。今回の受験生の皆さんもラーメンを召し上がって頂いて、晴れやかな気持ちで当日に挑んで頂ければと思います

「ひっしょうゆ」でライバルを出し抜け

続いては、270年もの歴史がある醤油(しょうゆ)店、福岡市南区の「タケシゲ醤油」。5種類の濃口醤油と、それをベースにした約20種類の調味料を販売している。

270年もの歴史がある福岡市南区の醤油店「タケシゲ醤油」
270年もの歴史がある福岡市南区の醤油店「タケシゲ醤油」

その中で受験勉強のお供におススメなのが、だるまをあしらった必勝祈願の、その名も「ひっしょうゆ」だ。卵かけご飯用の醤油である「ひっしょうゆ」は、パッケージだけでなく原材料にもこだわりがある。「ライバルを出し抜け!」とブレンドされた3つの出汁なのだ。

タケシゲ醤油 取締役・住田良幸さん:
「勝つ」のカツオですね。そして必ず合格して「入る」ということでイリコ。そして合格して「喜んで」ほしいということでコンブの3つを入れています

その味は…。

テレビ西日本・日高真実リポーター:
「ひっしょうゆ」をかけた卵かけご飯を頂きます…。うん、まろやかで優しい味なんですが、うまみがとっても濃厚です

実はこの「ひっしょうゆ」、もともとは住田さんが知人の受験生にプレゼントするために作ったもの。合格の報告を受けたことから商品化したという。驚きなのは、開発者の住田さん自ら滝行で受験生の合格などお客の幸せを祈祷し、販売している。

タケシゲ醤油 取締役・住田良幸さん:
悔いのないように、志望校に合格できることを願っております。1番大切なのは、勉強もですけど、健康と体力が1番だと思いますので、しっかり食べていただいて、受験当日、体調万全で挑んで頂ければと思います

ゲン担ぎの定番といえば「お守り」

合格祈願のゲン担ぎはまだまだある。

坂本奈都美リポーター:
JRの駅で販売されているお守りには、表に受験に勝つの「勝」、裏には幸せを呼ぶの「幸せ」の文字が印刷されています

筑豊エリアの縁起の良い駅名で受験生を応援しようと、JR九州がお守りを作った。ゲン担ぎに使われたのは、筑豊線の「勝野駅」と日田彦山線の「呼野駅」だ。お守りの表には「勝野駅」の「勝つ」の文字、そして裏には「幸せ」の文字と「呼野駅」の駅名が記されていて、田川市の寺院で合格の御祈願も受けている。「受験に勝って幸せを呼ぶ」の語呂合わせなのだ。

JR九州が作った「受験に勝って幸せを呼ぶ」お守り
JR九州が作った「受験に勝って幸せを呼ぶ」お守り

さらにもうひと種類! 「苦難を乗り越え春を待つ、そして新しい人生の始まり」という意味を込めて、表に篠栗線「原町駅」の「春」の文字、裏には筑豊線「新入駅」の「新」の文字をあしらったお守りもお目見えした。それぞれ444個ずつ、合計888個が販売されている。

「苦難を乗り越え春を待つ、そして新しい人生の始まり」という意味が込められたお守り
「苦難を乗り越え春を待つ、そして新しい人生の始まり」という意味が込められたお守り

JR九州 新飯塚駅・田中克也駅長:
444個は、4つ合わせて幸せ。888個は、パチパチと末広がりの8ということで、応援する拍手という意味も込めて、この個数で作らせて頂いております

駅名で合格を願うお守りは、新飯塚駅や直方駅など5つの駅の窓口で先着順での販売となる。

地元企業の自信作 「絶対に落ちない」おみくじロボット

一方、ものづくりの街、北九州市。JR黒崎駅の構内には大きなおみくじロボットが登場した。改札内の赤い鳥居の奥に鎮座する「おみくじロボット」は、らせん状のレールとロボットアームを組み合わせた、地元・安川電機の「絶対落ちない!」という自信作だ。

新型コロナの影響で休止していたが、受験シーズンを前に念願の再稼働を果たした。
このロボット、どこがすごいかというと…。

小川ひとみリポーター:
見て下さい。レールが途切れているところが数カ所あるんですけど、大丈夫なんですかね…

本当に玉が「落ちない」のか…
本当に玉が「落ちない」のか…

一抹の不安を抱えながら「絶対に落ちない」というおみくじに挑戦!レールの上を転がっていく赤い玉。やがて隙間に差し掛かると、ロボットが橋渡しした。

小川ひとみリポーター:
わっ! 隙間にしっかりロボットが入って橋渡しています!

素早く正確にアームが動き、玉が落ちない仕組みになっているのだ。

最後におみくじももらえる「絶対に落ちない」縁起の良さ! 受験生には心強い後押しだ。

おみくじロボットを試した人:
孫の大学の受験があるので。千葉に住んでいるので送ります

おみくじロボットを試した人:
中吉。いい一年になりそうです。就職、受かる気がします

安川電機・糸山二郎さん:
受験生のみなさまに限らず、どなたでも無料でお楽しみ頂けますので、黒崎駅にお立ち寄りの際はぜひご利用ください

安川電機のおみくじロボットは、駅の利用客は無料でゲン担ぎができるという。

(テレビ西日本)

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