福岡県北九州市の高校生が、授業の一環として街のグルメ本を作成。地域の活性化に貢献する取り組みに密着した。
元新聞記者からアドバイス受け、豆本を製作
パスタをほおばる高校生。かと思うと、一眼レフやスマートフォンを使って写真を撮り…。そして、突如始まった店員へのインタビュー。

高校生:
さっきパスタを食べたんですけど、おいしかったです。ちょっと酸味を感じて、レモンとか入れていますか?
味の丸屋・渡邉珠利さん:
今はオリーブオイルと、熊本天草のオーガニックレモンの果汁を絞って入れています
彼女たちは若松商業高校の3年生。地元・北九州市若松区のグルメ本を出版するため、取材活動を行っていた。作ろうとしているのは、手のひらサイズで食べ歩きに持つのに最適な「豆本」だ。

編集長を務めるのは、日本経済大学地域連携センター職員の平義彦さん。新聞記者だった経験を生かして、記事の書き方や写真の撮り方など、様々なアドバイスを送っている。

平さんは、これまでに福岡や山口などの豆本をエリア別に発売していて、6冊目となる今回は高校の授業の一環として、高校生と豆本の製作を行っている。

豆本編集長・平義彦さん:
まずは色んなお店に行って、魅力ある場所を地元の人が発信する。そうしてこの豆本を見た人が、地元で食べ歩きをするというのが目的
”高校生ならではの目線”で地域の良さを再発見
彼女たちが取材しているのは、北九州市若松区にある「味の丸屋」。無添加の辛子明太子などが販売されているが、店内ではカフェの営業も行っている。
取材先も高校生が自分たちで選定。この日は、彼女たちにとって初めての取材だった。

若松商業高校3年・西谷はなさん:
若松商業高校から参りました。代表して西谷と申します。本日はよろしくお願いいたします。(一斉に)お願いします。えっと、まず…

段取りを決めていなかったため、あたふたしてしまうシーンも見られた。
若松商業高校3年・西谷はなさん:
初めてだったんですけど、準備が足りてなかった。段取りを決めてなかったので、次回からちゃんと決めたいと思います
さっそく取材に取り掛かる。
豆本編集長・平義彦さん:
写真の撮り方がめちゃめちゃうまいね! 俺より全然うまい。これがいい、この角度がいい

若松商業高校3年・熊谷優香さん:
角度によって写り方が違うので、楽しいです
現役高校生が作る豆本の魅力は、高校生ならではの目線にあると平さんは話す。

豆本編集長・平義彦さん:
料理を撮る角度とか同級生を撮り合うというのが、面白い角度で撮ったり、同級生に撮られるから相手も気を許している。そういうところが、大人チームのプロやアマチュアの人とは少し違う

豆本の取材を通して、若い世代が地元の魅力を再発見し、地域活性化につながればと平さんは期待する。初めての取材を終えた高校生の感想は…。
若松商業高校3年・西谷はなさん:
若松区の方ももちろん、若松区以外に住んでいる方からもお店に足を運んでもらえるように、お店の魅力をしっかり伝えていきたいです

高校生が自分たちの目で見て、舌で味わい、発信する地域の魅力。
若松区の豆本は、2023年1月の発売を目指して今後、若松区内の30店舗以上を取材する予定だ。高校生たちは取材だけでなく、原稿執筆や構成も考えているという。
(テレビ西日本)