宮城県で2023年1月から導入された「孫休暇」の話題。宮城県には子供が生まれた際、「父親」が取得できる「出産補助休暇」「育児参加休暇」という制度がある。この2つの休暇制度、いわゆる「育休」制度だが、宮城県は1月から対象を「祖父母」にも拡大する形で「孫休暇」を導入した。これにより、祖父母も娘の出産の際に最大2日、孫の世話のために最大5日の休暇を有給で取得することができるようになった。全国の自治体で初めての導入となる「孫休暇」。取得第一号となった宮城県職員の方を取材した。

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不安を感じにくい子育て環境へ

1月6日。平日のこの日に孫の陽向ちゃんの世話をするのは、宮城県職員の阿部正直さん(60)。広島県に住む息子夫婦の帰省に合わせて、この日、職員で初めて「孫休暇」を取得した。

宮後県議会事務局 阿部正直 局長:
私がこれまで県職員として仕事をしてきた中で、子育て支援に関わる仕事とか、あるいは職員の休暇制度、そういったものに関わる仕事をしてきましたので、実際に取得してどうかというところを体感してみたくて取得してみた

食事やおもちゃでの遊び。「孫休暇」を使うことで「子育てへの意識が改めて高まった」と意義を感じている。

県議会事務局 阿部正直 局長:
子育て支援はやはり親だけで済む問題ではありませんので、多様な人々が支援する必要があると思います。そういったものを休暇中に意識したので、意識が高まったところがあります

息子の拓磨さん。祖父母も育児に積極的に関わることで、「不安を感じにくい子育て環境になる」と好意的に受け止める。

息子 拓磨さん:
できれば私としても帰って来た時に長い時間 孫と一緒に過ごしてもらえるといいなという思いがあったので、すごく良い時間を過ごせているなと実感しました。民間企業でも広まってきて、それが当たり前となるような世の中になると良い

子育て・孫育て環境の整備を

「子育ては社会全体で支えるべき」として、今回の導入を決めた村井知事。一方で「両親」の有給休暇や育児休暇の取得率も上げなければならないと話す。
宮城県によると、最大20日間確保されている宮城県職員の平均の有給休暇取得日数は過去5年で12日程度に留まっている。

また、男性職員の育児休業の取得率は増加傾向にあるが、半数程度にとどまっていて、そのうち、5日以上取得した人も7割に達していない。

宮城県 村井 知事:
目標は育児休業100%。男性も育児休業100%をとるということです。そうすることによって民間企業に対しても、お願いしやすくなるので、皆さん「有無を言わさず取るんだ」という形にできればと思っています

2031年度までに段階的な65歳までの定年延長が決まった宮城県。孫を持つ職員の増加も見込まれる中、子育て・そして孫育て環境の整備をさらに進める方針である。

(仙台放送)

仙台放送
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