今、世界中が同時に新型コロナウイルスという敵と闘っている。
社会経済活動の再開が広がり、新しい日常が始まる一方で、第2波への警戒が続く。
世界中で取材を続ける各国のFNN特派員が、世界8ヶ国11都市からリポートする。

各国の感染者数を緑で表示(5月29日10時00分現在)

▼中国:8万4106人

上海の城戸です。
5月以降、公園では、ご覧のような路上パフォーマンスも許可されるようになりました。ただ、マスクをしたり一定の距離をあけるなどの感染対策は求められています。それでも歌う人はマスクを外している人が多いです。そして公園では大道芸人のような人の姿も戻ってきています。市民からは、まだみんなマスクをしているけど感染が過ぎ去ったと実感する、と、何気ない日常の風景が戻ってくることに喜びの声があがっています。

公園には大道芸人の姿も

北京の木村です。
新型コロナウイルスの影響で景気が落ち込んでいる中国で、地方政府が推進しているのがスマートフォン決済を活用した「デジタル消費券」です。インターネット上の特定のページなどで取得したQRコードを使って対象の店舗で商品を購入すると割引が受けられる仕組みです。ただ、「割引にしかならないのであまり使わない」との声もあり、個人消費の回復を促す一手となるかは、未知数です。

▼イギリス:27万507人

ロンドンの立石です。
こちらの女性…広場で一人激しく踊っています。ダンスインストラクター、アマンダさんのネット配信レッスンです。ゴルフやテニスは再開が認められましたが、スポーツジムは依然閉鎖中。そんな中、生徒たちのために、アマンダさんは、3月のロックダウン直後から 無料で配信を続けてきました。アマンダさんは「離れていてもバイブスは伝わる」と、新たな取組に積極的です。

ダンスの配信レッスンを続けるインストラクター・アマンダさん

▼フランス:18万6364人

パリの石井です。
店の営業が再開し、パリ市民の間に日常が戻りつつありますが、飲食店の再開はこれからです。
セーヌ川沿いのこちらには、レストラン業界の苦しい状況を訴えるため、シェフなどスタッフたちのユニフォームや、食器がずらりと並べられています。営業を再開できても、観光客が戻るまで売り上げは見込めず、厳しい状況が続きます。

セーブ側沿いに並べられたシェフたちのユニフォーム

▼アメリカ合衆国:172万613人

ニューヨークの中川です。
アメリカ国内の死者は10万人を超えました。その直前、ニューヨーク・タイムズは犠牲者1000人の実名を一面全面に掲載。名前と年齢だけなく、「30年間スクールバスの運転手だった」、「絵を描くことが好きだった」、「ニューヨーク・ヤンキースのファンだった」など、1000人が、生きた証も報じています。奪われたそれぞれの日常。今一度、思いを馳せるときが来ています。

犠牲者1000人の実名を一面全面に掲載したニューヨーク・タイムズ紙

ロサンゼルスの益野です。
観光客に人気のサンタモニカの商店街は多くの店が閉まったままです。しかし実はこのエリアは、制限が緩和され営業を再開して客を入れてもいいという許可が出ています。それでも安全対策の難しさなどから、すぐに店を開けて元通りとはいかないのが現実のようです。既に撤退した店もあり、事態が落ち着いた後、街の姿は大きく変わっているかもしれません

サンタモニカの商店街は営業再開が許されているが、閉店したままの店舗が目立つ

ワシントンの瀬島です。
トランプ大統領が所有するゴルフ場(バージニア州)に来ています。こちらではトランプ大統領が、2ヶ月半ぶりに趣味のゴルフを解禁し「正常化」をアピール。今屋外で楽しめるゴルフの人気が高まり、コースには多くの初心者が訪れています。隣接する首都ワシントンも29日からついに経済活動が再開し、レストランのテラス席や美容院、などがオープンします。ただ、新規感染者の急増も見られ、6月末にG7サミットが通常の形で開催できるかは流動的です。

トランプ大統領がゴルフを解禁し「正常化」をアピールしたゴルフ場

▼タイ:3065人

バンコクの武田です。
タイでは非常事態宣言の延長が決まり、経済の悪化が深刻化しています。失業者が増える中、
街角にはこのような食べ物を寄付する棚が置かれていまして、生活に困った人が自由に持って帰れるようになっています。この取り組みはタイ全土で草の根的に広がっていましてすでに1000ヵ所以上に設置されています。

街角に置かれた「食べ物を寄付する棚」はすでにタイ全土で1000か所以上に設置されている

▼トルコ:16万970人

イスタンブールの清水です。
こちらは首都アンカラから最大都市イスタンブールの終点に到着したばかりの高速鉄道です。
2カ月ぶりに運行が再開し、アンカラから86人が乗車したということです。鉄道の利用には旅行許可証が必要で、ソーシャルディスタンス確保のため、乗車率は50%以下としています。再開した路線はまだ一部のみですが、今後、徐々に本数が増える見込みです。

2か月ぶりに再開した高速鉄道 SD確保の為、乗車率は50%以下

▼ロシア:37万9051人

モスクワの関根です。
ロシアの嵐に、少しだけ晴れ間が出てきました。首都モスクワの市長は今週、6月1日から小売店の再開を決定。週2回しか利用できませんが、こちらのショッピングモールも2か月ぶりにオープンします。ただ、休業が続く飲食店からは不満が爆発し、SNSで「仕事をさせろ」と裸で訴えています。今も感染者が8000人以上増え続けつけているロシア。経済再開と感染防止の狭間で、また暗雲が立ち込めてしまうかもしれません。

「仕事をさせろ」と裸で訴える人たちのSNSより

▼韓国:1万1344人

ソウルの渡邊です。
新型コロナの影響で外出を控える人が多い中、自宅で買い物できるこのような通販サイトの利用が増えています。今週この通販サイトの配送センターで集団感染が発生し、29日までに96人の感染が確認されました。配送センターではマスク着用や消毒が徹底されていなかったとの話があります。小さな油断が集団感染を招く、このウイルスの厄介さが改めて浮き彫りになりました。

ソウルの街中を行き交う人々

【第1回:新型コロナウイルスと闘う世界 “緊急事態”世界11都市の特派員が伝える今
【第2回:緊張が続く欧州 “最悪を脱した”NY 中国は企業活動再開 特派員が伝える今
【第3回:新型コロナウイルスと闘う世界 8ヶ国11都市の特派員が伝える今
【第4回:「嵐の真っただ中」のロシア “リベンジ消費”に期待がかかる上海 
【第5回:防疫か経済再開か 徐々に動き出した世界の現状 韓国繁華街のクラブをはしごした男性の結末
【第6回:ロスではサーフィンも解禁!世界各国で始まった新しい“無接触ライフスタイル”
【第7回:“ほぼ全員マスク” 異例の中国全人代 一方米世論調査「弱く見えてカッコ悪いからマスクをしない」男性が38%も

【取材:FNN国際取材部海外特派員班】

(感染者数はジョンズホプキンス大学調べ)