今、世界中が同時に新型コロナウイルスという敵と闘っている。
世界中に発令された“緊急事態”
各国の現状は?
各国の国民はこの事態にどう向き合っているのか。
収束の見通しは見えてきたのか。
世界中で取材を続ける各国のFNN特派員が、世界8ヶ国11都市からリポートする。

世界の感染者数(5月8日15:30現在:ジョンズ・ホプキンズ大学調べ)

▼中国:83,976 人

上海城戸です。
こちら上海ディズニーランドは来週11日からの再開が決まりました。入場者が並ぶ場所には間隔を開ける目印も置かれています。世界のディズニーランドで最初になるとみられるこの再開で、中国政府は感染の収束や経済活動のさらなる正常化をアピールしたいとみられます。ただ先行きの不透明感がある中で、国民は消費よりも貯蓄を選ぶ傾向があるという調査結果もあり、政府の思惑通りに経済の復旧がすすむかは未知数です。

北京の木村です。
世界遺産として有名な観光スポット、こちら、故宮も5月初めに営業を再開しました。中国では1日から5日までが大型連休で1億人以上もの人が国内旅行などで移動したと見られています。連休明けからは在宅勤務から通常の勤務態勢に戻す会社も増え、感染への警戒は続くものの徐々に日常を取り戻し始めています。

▼アメリカ合衆国:1,256,972人

ロサンゼルスの益野です。
先月末からコロナウイルスの症状がなくても誰でも検査を受けられるようになり私も受けてきました。検査は車に乗ったまま、綿棒で自分の口の中をこするだけという簡単なもので、検査スタッフと接触することもなくリスクが低いものでした。ロサンゼルスではこうした唾液を使った検査キットを導入したことで検査態勢が拡大し、8日からの「外出禁止の緩和」を後押しすることになりました。

車に乗ったまま検査を体験
車に乗ったまま検査を体験
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ワシントンの藤田です。
隣のバージニア州との州境に来ています。こちらワシントン特別区では禁止されているゴルフやテニスも、お隣のバージニアでは解禁されています。経済再開に向け動き出しているアメリカですがウイルスの封じ込め対策をめぐっては州ごとに対応にばらつきがあり感染収束の遅れにつながるとの懸念の声も聞かれます。

ニューヨーク上野です。
アメリカでは、すでに6割以上の州で経済活動が再開しましたが、感染者、死者が最も多いニューヨークは、入院患者の継続的な減少など7つの基準をもとに地域ごとに段階的に再開する方針です。第1段階としては建設業などからスタートし、第3段階でレストラン、ブロードウェイなどのエンターテインメントは第4段階と最後になります。ここタイムズスクエアに再び活気が戻るのは、当分先になりそうです。

▼韓国:10,822人

ソウルの渡邊です。
新規感染者は連日1桁台以下となり、6日には外出自粛要請が解除されました。街に賑わいが戻る一方で、7日にはソウルの繁華街・梨泰院でクラブなど5軒をはしごしていた男性が感染していた事が分かり、接触者が隔離されました。コロナとの戦いは続いています。

ソウルの繁華街
ソウルの繁華街

▼イギリス:207,977 人

ロンドン小堀です。
イギリスでは新型コロナウイルスに感染して亡くなった医療従事者が100人を超えました。
こちらの住宅の窓に飾られている虹の絵は子供たちからの応援メッセージです。この動画は1ヶ月間の闘病の末回復し、退院する看護師を、同僚たちが喜びの拍手で見送ったものです。依然、深刻な状況が続く中、医療従事者への感謝と支援の輪が広がっています。

1か月の闘病を経て退院する看護師を祝福する同僚医療従事者(St.Mark's Northwick Hospital)
1か月の闘病を経て退院する看護師を祝福する同僚医療従事者(St.Mark's Northwick Hospital)

▼ロシア:177,160人

モスクワの関根です。
9日の対ドイツ戦勝記念日を控え、街にはのぼりが出るなど祝福ムードです。ただ、喜べないのが感染者の爆発的増加です。今週は毎日1万人以上増加し、トータルでも世界5位になってしまいました。感染はミシュースチン首相らにも拡大し、来週にはJALの臨時便で日本人200人が帰国します。ロシアはやっと春を迎えましたが、満開の花も楽しむ日は、ほど遠い状況です。

▼タイ:3,000 人

バンコク支局の佐々木です。
タイでは5月3日に規制の一部が緩和され、レストランでの飲食や小売店の営業が再開しました。それに伴い人出も増えてきて、最近ではバンコク名物の渋滞も発生しています。そうした動きが、連日新規感染者一桁台という現状にどう影響してくるのか。タイ政府や市民たちは関心を持って見守っています。

▼トルコ:133,721 人

イスタンブール清水です。
私の後ろに見えます人気観光地、「アヤソフィア」は今も閉鎖されていますが、トルコでは11日からショッピングモールや美容院など一部商業施設の営業が再開します。外出禁止だった65才以上と20才以下の人も指定された日だけ外出可能となります。エルドアン大統領は、「今後3カ月で生活を正常化させる」としています。

▼フランス:174,918 人

パリの藤田です。
外出の原則禁止が続き人通りもまばらなシャンゼリゼ通りです。11日にはこの規制が解除され、飲食店以外の商店などが再開されることになっています。待ちに待った解除ですが、パリなど4つの地域では感染者の増加が抑え込めていないため、解除後も警戒が必要になっています。

【第1回:新型コロナウイルスと闘う世界 “緊急事態”世界11都市の特派員が伝える今
【第2回:緊張が続く欧州 “最悪を脱した”NY 中国は企業活動再開 世界11都市の特派員が伝える今
【第3回:新型コロナウイルスと闘う世界 8ヶ国11都市の特派員が伝える今
【第4回:「嵐の真っただ中」のロシア “リベンジ消費”に期待がかかる上海 気の緩みが広がる米国

【取材:FNN海外特派員取材班】

国際取材部
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