今、世界中が同時に新型コロナウイルスという敵と闘っている。
社会経済活動が一部で再開し、新しい生活スタイルが広がりつつある。
各国の現状は?
収束の見通しは見えてきたのか。
世界中で取材を続ける各国のFNN特派員が、世界8ヶ国11都市からリポートする。

各国の感染者数を緑で表示(5月22日15時30分現在)

▼フランス:181,951人

パリの石井です。
11日に外出規制が緩和された当初は、警戒感からか、人の出はそれほど多くありませんでしたが、今週に入ると、一気に増えました。引き締めを図りたい保健相と、現在閉鎖されている公園の解禁に踏み切ろうとするパリ市長の意見が対立。その行方が注目されています。外出規制が緩和されたとはいえ、観光客が戻らないパリ。本当の賑やかさには、まだほど遠い状況です。

▼イギリス:252,246人

ロンドン小堀です。
イギリスはバンクシーに代表されるように、ストリートアートが芸術として浸透しています。
今、新型コロナウイルスをテーマにしたストリートアートが全国に広がっていて、こちらにも病院関係者を励ます作品が描かれています。また、アーティストの中には民家の壁に絵を描く代わりに寄付を募ったところ100万円以上が集まりました。何か出来ないかという思いは、絵を通して市民に伝わっています。

▼アメリカ合衆国:1,577,287人

ワシントンの藤田です。
アメリカの最新の世論調査でマスクをしたことが無い男性が実に38%に上ることが明らかになりました。これは女性より13ポイント多く、マスクをしない最大の理由は「弱く見えてカッコ悪いから」と言う事です。トランプ大統領も公の場でマスクの着用を頑なに拒んでいますが、感染予防のお手本を示すべき大統領の「マスク嫌い」には批判の声が上がっています。

ロサンゼルスの益野です。
制限の緩和が進む中、オフィスビルも施設を開ける準備が進んでいます。このビルではマスクの着用はもちろん、立ち位置や歩く場所まで規定され、「エレベーターは4人まで」「壁にはもたれない」といった細かいルールが作られています。それでも出社せざるをえない企業がある一方、フェイスブックなどシリコンバレーの企業ではテレワークをスタンダードにする動きが加速しています。今後、働き方の「常識」はどこまで変わるのか目が離せません。

ニューヨークの新庄です。
全米すべての州で経済活動が再開されました。感染者数のピークは過ぎたもののニューヨーク市の学校は今年9月までの休校を決めています。こちらの小学校の校庭も最前線で戦う近くの病院の医療関係者の休憩所として使われています。アメリカでは小さな子供だけでの留守番が禁止されているため、職場復帰に伴い共働き家庭などでは子供たちの見守りが悩みとなっています。

▼中国:84,079人

北京高橋です。 
最高指導部を除く出席者がほぼ全員マスク姿など、異例づくめの全人代がおよそ2か月半遅れて開幕しました。今回は私を含めPCR検査を受けた一部のメディアだけが、会場での取材を許されました。また、例年発表してきた経済成長率の目標を「不確定性が非常に高い」として初めて示しませんでした。一方、香港の国家安全を維持するための法整備についても審議される予定で、
コロナ後の中国では規制の強化が一層進みそうです。

上海の城戸です。
ここは空港の国内線ターミナルです。搭乗する人は行き先ごとのQRコードを読み、感染が起きた際に連絡が取れるよう個人情報を入力します。経済活動の再開で国内線の利用者は徐々に戻ってきていますが、まだ以前に比べるとかなり少ない状況です。中国政府は経済活動再開と感染再拡大への警戒という難しい両立を続けています。

▼タイ:3,037 人

バンコク支局の佐々木です。
タイでは第一弾の規制緩和後も新規感染者が1桁台に押さえ込まれていて、今週から第二弾としてデパートなどが再開しました。しかしマッサージ店など今も再開できない業種では、商売を止めて撤退する店が街中で目立ち始めています。失職した人が戻るはずだった職場がなくなってしまうことで、さらなる景気悪化が懸念されます。

▼ロシア:317,554 人

モスクワの関根です。
ロシアでは増え続ける感染者に、必死に対応している医療従事者を応援する機運が高まっています。街には、このように「私たちの英雄」とたたえる大きな広告が登場しました。プーチン大統領も医師らへの手当上乗せを決めましたが、一部の病院のスタッフが「いつまでたっても振り込まれない」と動画で訴え、波紋が広がっています。英雄達からの不満噴出は、プーチン政権の足下を揺るがしています。

▼トルコ:153,548人

イスタンブールに21日オープンしたこちらの病院、ベッドの数は2600を超え、トルコだけではなく中東、ヨーロッパでも最大規模となっています。大手商社・双日が建設に関わったこの病院は、新型コロナウイルスの病床不足解決のため、予定を早めて正式にオープンしました。第2波も懸念される中、コロナ治療への貢献が期待されます。

▼韓国:11,142人

ソウルの川崎です
自粛が解除され街は人で溢れていますが、繁華街のクラブを発端とした集団感染は200人を超えました。感染者の一人である塾講師がクラブを訪れたことを隠したまま授業を行っていたことが分かり、地域社会への感染拡大を招いたとして批判が高まっています。韓国では感染者が自身の行動についてウソの申告をした場合、禁固刑が科される可能性があります。しかし、そうした厳しい抑止措置にも限界があることが浮き彫りになった形です。

(各国の感染者数:ジョンズ・ホプキンス大学調査より)

【取材:FNN海外特派員取材班】