本格的なシーズンを迎えるなか、スキー場では困った事態が持ち上がっている。スマホが自動で119番通報するケースが相次いでいるのだ。
この記事の画像(12枚)iPhoneの「自動通報」機能とは
本格的なスキーシーズンを迎え、多くの人で賑わう、長野・白馬村のスキー場。
雪の上での転倒はよくある場面だが、最新のスマホやスマートウォッチの一部は、こうした転倒などの衝撃で、持ち主が事故に巻き込まれた可能性があると判断し、自動的に119番通報する機能を備えている。
初めてスノーボードを体験したという20代男性に、スマホの自動通報機能について聞いてみた。
来場客(20代男性):
(自動通報を)知らないです。けがした時だったら、めちゃくちゃありがたいと思いますね。
相次ぐ自動発信による“誤通報”
管轄内に多くのスキー場がある、長野県・北アルプス広域消防本部。
ここでは、12日も自動通報が相次いでいた。
消防:
もしもし、消防署です。…スキー場からの通報です
消防:
消防署ですけど。
通報者:
あっ、ごめんなさい。何でもないです。間違えて押しちゃったみたいで。
消防:
何でもなければ大丈夫です。気をつけて滑ってください。
無事が確認できたため、出動には至らなかった。
しかし、相手の応答がない場合、通報のあった電話にかけ直し、安否を確認しなければならない。その作業に半日かかった例もあり、業務の負担になっているという。
この消防本部では、2022年12月16日から1月12日までで、スマホなどからの自動通報は103件あった。
しかし、実際に救急車が出動したのはわずか1件だけで、残りの102件は自動発信による誤通報だった。
北アルプス広域消防本部第3通信指令係長・中山靖大さん:
本来のiPhoneの機械の性能としては、自動発信ということでとてもいいと思うのですが、その都度ちゃんと対応していただければいいのかなというふうに感じております。
自動通報機能について、ゲレンデでは賛否の声が上がった。
来場客(20代):
1人で事故で誰も気づいてくれないよりは、絶対にいいですよね。
スキー指導員(70代):
小さな親切、大きなお世話。やり過ぎじゃないの。
ユーザーの安全のための新機能。消防の負担とならないよう、正しく使用する必要がある。
(「イット!」1月12日放送より)