愛車で100万キロを走破したという男性。
その距離は地球(1周約4万キロ)25周分に値します。
さらに、地球から約40万キロ離れた月を往復できる距離なのです。
一体なぜ到達できたのでしょうか。男性を取材しました。

走行距離100万キロ達成 販売店がオーナーに感謝状

香川県高松市の、車の整備工場で撮影された写真。

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パネルには「祝 走行距離1,000,000km達成」の文字が書かれています。一般的に、走行距離約10万キロが買い換えのタイミングといわれますが、その10倍もの距離を走行したことになります。これを受けて、1月5日、「車の技術力・耐久性を広く知れ渡らせてくれた」として、自動車販売店が車のオーナーに感謝状を贈呈しました。

車内のメーターは「999,999」。100万キロ以上を表示できないためこの状態で止まっています。

鉄道カメラマンのオーナー「車はもう家」

オーナーの坪内政美さんは「最初から100万キロ乗り続けるつもりではなかった。ずっとエンジンの調子がよくて」と話します。実は坪内さん、職業は「鉄道カメラマン」。だからこそ、この車がなくてはならない存在だといいます。

車のオーナー
鉄道カメラマン 坪内政美さん:
機材も多いので、交通機関を使ってしまうと移動ができない。これだとすぐ出発できるので。もう家です。撮影場所って結構宿がないところ多いので、シャッターチャンスを逃したくないので、現場で泊まっちゃうんです。

さらに、坪内さんはシャッターチャンスを逃さないために、脚立を使わずに車の上に飛び乗って鉄道を撮影することも。脚立を出し入れする時間が惜しく、撮影後降りてすぐ出発できるためこの方法で撮影しているそう。
渾身の1枚を収めるための、まさに“相棒”です。

地球25周分の走行支えた整備スタッフ

この車が地球25周分もの距離を走行するにはある人の支えが不可欠だったといいます。それが、坪内さんの愛車の整備を購入時から担当している中島さん。

香川日産自動車株式会社・サービススタッフ 中島明巳さん:
走行距離100万キロは非常に珍しいと思います。タクシーでも、大体50万キロ超えたぐらいで一度エンジン交換をするんです。交換するか、オーバーホールをするんですけども。この車、新車の時のままのエンジンなんですよ。

しかし…

香川日産自動車株式会社・サービススタッフ 中島明巳さん:
70万キロ、80万キロ超えたあたりからやっぱりちょこちょこ故障が増えてきました。積載車(キャリアカー)で何度かはお迎えに上がりました。動かなくなった車を九州からフェリーに乗せて愛媛の八幡浜まで動かしてもらったことはありますね。

いかに高品質な日本車といえども、100万キロを超えて走り続けるには、様々な苦労があったといいます。

愛車をなでながら「まだエンジンは調子いいので、このまま走り続けたいですけど、いずれは最後がくるんだろうなと。その時はどこかに飾ってほしいな。たぶん廃車にはしないです」と話す坪内さん。

走行距離100万キロ到達の裏には細やかな整備をするスタッフと愛車を大切にするオーナーとの“絆”がありました。

(めざまし8 1月9日放送)