長年、地域の安全に貢献した警察官をたたえる2022年の「愛媛県民の警察官」に、松山西警察署の石丸晋警部補が選ばれた。数々の事件を解決に導いた鑑識の技術や経験が高く評価された。
現場を安心させることができる鑑識
2022年で61回目を迎えた「愛媛県民の警察官」に、松山西警察署刑事課鑑識係の石丸晋警部補(57)が選ばれた。石丸警部補は約40年の警察官人生のうち、25年余りを“鑑識畑”で歩んだ、まさに鑑識のベテランだ。

松山西警察署 刑事課鑑識係・石丸晋警部補:
「この人が来てくれたんで何とかなる」って警察官が思ってくれる鑑識っていうのが、一番いいんだろうと思うんですよ。現場を和ますじゃなくて、現場を安心させることができる鑑識っていうのが

石丸警部補は、これまで連続強盗強姦事件や組織的窃盗事件など、数々の凶悪事件で捜査を進展させる証拠を採取してきた。
特に2014年12月、松山市の自宅マンションで女性が首をナイフで切られ殺害された事件では、現場の手すりから採取した指紋が容疑者のものと一致。粘り強い鑑識活動で犯行を立証し、事件を解決に導いた。

そんな石丸警部補が現場に駆けつける時、常に大切にしているのは「被害者ファーストの心」だという。
松山西警察署 刑事課鑑識係・石丸晋警部補:
一生に一度あるかないかのことが起こった方々のところへ臨場するわけですから、私たちが来たことで、さらに負担ができるだけかからないようにということが一番に考えています

松山西警察署 刑事課長・舩田和志警部:
一緒に現場でしている時なんかでも、被害者に常に寄り添って丁寧に説明をしてですね、鑑識活動をされている。本当にすごい方です

後進の育成にも注力…今後の警察官人生の目標は
石丸警部補は、卓越した鑑識の知識や技術を後輩に継承する「技能指導官」に指名されたこともある。若手の育成にも余念がない。

松山西警察署 刑事課鑑識係・石丸晋警部補:
ちょっと後ろ切れたかね。でも全部入ったね。均等にいったやん。OK!

この日は家に泥棒が入ったという想定で、足跡や指紋の採取方法など基本的な鑑識技術を指導した。
松山西警察署 刑事課・青木志帆巡査部長:
私にとって石丸上席はいつも熱心で、私たちにも情熱的に教えてくださるので、鑑識希望の私にとってはとても憧れる方になります

石丸警部補は、自分の持てる技や経験の全てを伝える覚悟だ。若手警察官たちは、その頼もしい背中を追いかける。

残りあと2年となった警察官人生。今の目標について、石丸警部補は次のように語った。
松山西警察署 刑事課鑑識係・石丸晋警部補:
最後まで鑑識係の制服を着続けられるように、体調にも気をつけて頑張りたいと思います。最後まで現場です
(テレビ愛媛)