冬季に注意が必要な入浴。全国では年間約2万人が入浴中に死亡しているという。なかでも風呂好きが多い福島県は、ヒートショックの冬季死亡増加率が東北で最も高かった。安全に入浴するためのポイントをまとめた。

福島県民は風呂好き・長湯好き

熱エネルギー機器の製造販売を行う「リンナイ」が、入浴に関する調査を全国47都道府県を対象に行った。「ストレス解消法が入浴」という項目で福島県は2位(1位は東京都)、さらに「湯船派が多い」では3位(1位は山形県)だった。
またウエザーニュースが調べた「湯船につかる時間」については、福島県は16分01秒で全国4番目に。(1位は山梨県)

福島県民は風呂好き
福島県民は風呂好き
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ヒートショックに注意

データからも福島県は風呂・長湯好きというのが分かるが、入浴時に気をつけなければいけないのはヒートショック。全国では、年間2万人近い人が入浴中に死亡している。
寒い脱衣所では血管が収縮し血圧が上がる。そしてお風呂に入と、血管が急に膨張して血圧が低くなる。この血圧の急変化によって、失神・心筋梗塞・脳梗塞が起きてしまうという。冬の季節はヒートショックに要注意だ。

血圧の急変化が要因に
血圧の急変化が要因に

特に福島県は、東北の中で最も冬季の死亡増加率が高いというデータもある。郡山地方広域消防組合によると、ヒートショックが最も多い月は12月だという。急に寒くなり、寒さに体が慣れてないことが理由として考えられる。また、高齢者が圧倒的に多いという。

入浴中の事故の救急要請件数
入浴中の事故の救急要請件数

福島県はリスクが高い

国交省の資料では、18度未満の住宅は入浴事故リスクが高まるという。ウエザーニュースによると、福島県は部屋の温度が全国で2番目に低い。
室温が高い北海道(1位)はセントラルヒーティング、青森(3位)・秋田(4位)は断熱住宅であるが、福島は断熱住宅の割合が低いため、ヒートショックが起きやすくなってしまうという。

室温についての調査
室温についての調査

ヒートショックで亡くなる人の特徴は「42℃の熱めの風呂に15分以上」「高血圧・糖尿病など」「風呂での溺死者の9割が高齢者」だという。高齢者や持病を持っている人、熱い風呂が好きな人は要注意だ。

ヒートショックで亡くなる人の特徴
ヒートショックで亡くなる人の特徴

防止するキーワードは”温度のバリアフリー”で、「水温41℃以下・10分ぐらいの入浴」「床や風呂場全体を暖める」「脱衣所・浴室に暖房」を心がけるとよい。
また、家族などが気に掛けることも安全につながるのかもしれない。寒い時期は、体を温めるためにも欠かせないお風呂、ポイントを押さえて安全な入浴を。

温度のバリアフリーを
温度のバリアフリーを

(福島テレビ)

福島テレビ
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