新型コロナウイルスが再拡大するなかで年末を迎え、2022年も忘年会を開催しないという企業も増えている。忘・新年会で書き入れ時を迎える飲食店にとっては、物価高の影響も加わりより厳しい状況となっていた。
77.5%が開催しない
民間の信用調査会社・東京商工リサーチが、福島県内の企業に「忘年会、新年会を開催するか?」アンケートを実施。「開催しない」と答えた企業が77.5%と最も多い結果に。この割合は2ヵ月前に行った前回調査よりも、20.4ポイント上昇した。

その背景にあるのが新型コロナウイルス感染者の増加。福島県内の一日あたりの感染者数は、10月後半から増えている。第8波に突入してから増減を繰り返していて、ピークの見えないこの状況が忘新年会にも影響していると考えられている。

忘年会を開催しないという回答が多くを占める一方で、3.7%の企業が「開催する」と回答。また、「まん延防止措置の対象になっていなければ開催」7.5% 「緊急事態宣言の対象でなければ開催」10%など条件付きで開催すると答えた企業もあった。
これらの企業に、どのような形で開催するかも聞いている。最も多かったのが「二次会を自粛する」で44.4%。このほか「人数を制限」が33%、「開催時間を制限する」が22%。
一方「特に制限は設けない」とする企業は33.3%と、前の年の同じ時期と比べて増えている。

12月は書き入れ時…今年も苦しい飲食店
「厳しい…」飲食店からは今年もこの言葉が聞こえてきた。
福島県郡山市の「村さ来桑野店」では、12月の宴会の予約は55件入っているが、コロナ禍前と比べると約3割減っている。

さらに、来客数は団体客が少ないことから、コロナ禍前の半分に減少。そこに追い打ちをかけるのが物価高。調理に欠かせないガスや油、電気などあらゆるものの値上げにより、経営費は約1割増えた。

村さ来 東北地区本部・藤原賢一さん:
お店づくりは街づくりだと思うんですよ。街にお店の灯りが消えていったら、どんな街になりますかってことですね。一つ一つの飲食店が火を消さない。苦しくても何とか頑張っていくというのが、私たちの今の使命だと思っています

この店で利用客を呼び込もうと始めたのが、日曜日から木曜日は消費税10%分を還元するサービスや、6人以上で予約したグループへの金券のプレゼント。利益は圧迫されるが、賑わいを取り戻そうと感染対策も整えて利用客を迎える。

村さ来 東北地区本部・藤原賢一さん:
今年の締めくくり、色んな思い出あるでしょう。それを居酒屋で飲み交わして、一年を振り返っていただければ有難いなと。それがやっぱり我々のお店も地域も明るくなる一つのきっかけになるんじゃないかと

行動制限のない年末年始
忘年会を控える人が多いようだが、決して開催してはいけないという訳ではない。そこで改めて、会食時の注意点をおさらい。
1.短時間
2.大人数ならテーブルを分けるなど、互いに距離をとって
3.会話時のマスク着用
4.大声の会話は控える

以上のポイントを守るよう、福島県は呼びかけている。2022年の年末は、飲食や旅行・帰省は制限されていないが、感染を拡大させないためにも一人一人が気をつけていきたい。
(福島テレビ)