観光の新たな糸口となるかもしれない。ペットを同伴できる施設が北海道内で次々と誕生していいる。
函館市では、部屋にペットのケージや遊び道具までそろえたホテルがオープン。
札幌市でも、ワンちゃんOKの施設がオープンした。

2022年8月、函館市にオープンしたホテル「FAV HOTEL函館」。
入口のそばにはテラスやバーのカウンターがあり、開放感にあふれている。ほかのホテルと違うのは、愛犬と宿泊できることだ。

ペットと宿泊ができるのは30部屋のうち3部屋。小型犬と中型犬が対象だ。
部屋にはペットのケージやエサ台、遊び道具が完備。外に出かけるときは、ペット用の防寒具やレインコートも無料で借りることができる。

FAV HOTEL函館・寺村美優支配人:
連休や休みになるとほぼ満室の状態。どんどん人気になっていっている

また外出から戻る際にはテラス横の専用出入口から部屋に行くことができる。
出入口には、愛犬の足を洗う場所も設けられた。
宿泊者:
普段と変わらないような感じだった。犬にとってはそれが1番いい。もっともっとペット同伴のホテルが増えてほしい

FAV HOTEL函館・寺村美優支配人:
函館市でペットが泊まれる所はまだ少ないので、どんどんワンちゃんもお客様も宿泊にきてほしい

函館市内にはほかにも愛犬と宿泊できるホテルが7月にオープン。「グランパレット函館」だ。

開業当初には問い合わせが殺到したという。
グランパレット函館・矢野皓己マネージャー:
オープン直後は『どういう条件で泊まれるの? 』とかペットの問い合わせばかり。週末や連休になると、ペットの部屋は結構なお客さんにきてもらい稼働している

40部屋のうち5部屋で愛犬と泊まることができ、ホテルの横に専用入口が設置された人気の部屋は十分な広さが確保され、大型犬も宿泊可能だ。

さらに5人も入ることができるサウナもついていて、愛犬だけではなく、飼い主にも嬉しい作りになっている。

また屋上にはドッグランもあり、函館山や海の景色を一望することができる。
グランパレット函館・矢野皓己マネージャー:
ホテルは堅いイメージがある。ゲストハウスみたいなホテルを目指していて、(他のホテルとは)そういうのが違うのかなと思う
札幌市の奥座敷・定山渓温泉でも11月、ペットと楽しめるスポットがオープンした。

ぬくもりの宿ふる川・古川善浩社長:
レストランとプリンの専門店、南区近隣の物を集めたマルシェと、定山渓の外遊びができるアクティビティの受け付けがある

旅館「ふる川」が手掛ける「埜のてらす」。
4つの店舗が入っていて全て「ワンちゃんOK」(※マナーウェア着用)。レストランは専用の出入り口から入る。

ぬくもりの宿ふる川・古川善浩社長:
こちらのお席でございます。ここにリードフックがあります
隣のプリン専門店からレストランへの持ち込みも可能だ。

定山渓の美しい風景を眺めながらペットと食事を楽しめるほか、定山渓の魅力を体験出来るアクティビティにも数多くのプランが用意された。

フリルフスリフ・木村葵さん:
夏だとラフティングとサップを主に用意している。冬は、雪見ラフティングとスノーシューがワンちゃんOK。一緒に定山渓の冬を楽しんでいただけるのではないか

また定山渓の温泉を使った石鹸作りやバードコールの製作。たき火のコーナーでは「焼きマシュマロ」が体験できる。
ぬくもりの宿ふる川・古川善浩社長:
ワンちゃん連れもそうですし、いろんな意味で心のバリアフリー。みなさんを受け入れられる豊かな雰囲気を作り出したいとつくった

ペット同伴の施設が増えている背景には何があるのだろうか?
札幌国際大学 観光学部・藤崎達也准教授:
長い巣ごもりを体験して、家族とかペットとの絆が深まった。逆に半分の人は、ペットがいることで、旅行を控えていることも考えられる。そういった層が心配なく、旅行を楽しめるようになると、観光の後押しになるのではないか
