コンビニで酒やたばこを買うには、これまで人による接客が必要だったが、マイナンバーカードを活用し、セルフレジで購入できるようになる。

マイナカード活用 セルフレジで酒・たばこ購入OKに

コンビニやスーパーで導入が進んでいるセルフレジでは、年齢確認が必要な酒やたばこの販売が難しいという課題がある。

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11月30日に開かれた政府のデジタル臨時行政調査会の作業部会で、マイナカードの読み取りで年齢を確認すれば、セルフレジでの酒とたばこの販売を認める方針が了承された。

総務省によると、マイナカードの申請数は約7568万件(2022年11月27日時点)と、人口の60.1%となったが、セルフレジでの活用を認めることでさらなる普及につなげる狙い。

大きな売り上げ占める酒・たばこ コンビニ“ワンオペ化”を促進

「Live News α」では、マーケティングアナリストの渡辺広明(わたなべ ひろあき)さんに話を聞いた。

三田友梨佳キャスター:
今回の試み、どうご覧になりますか?

マーケティングアナリスト 渡辺広明さん:
人手不足対策のため、 セルフレジの促進は、コンビニに限らず流通業界で必要になってくる。
コンビニにおいては、酒・たばこの販売が売上の約3分の1を占めているのに、年齢認証が必要なため、レジでの接客対応が求められていた。これが無人販売化のネックになっていたため、今回の試みは業界でも期待が大きいのではないか。

三田友梨佳キャスター:
将来的には無人店舗の展開も視野に入ってきそうですが、これについては、いかがですか?

マーケティングアナリスト 渡辺広明さん:
実際ローソンは2019年に、横浜の店舗で半年間、顔撮影の入店管理やセルフレジの活用などで、深夜時間帯の午前0時~5時に無人営業実験を行なった。しかし深夜に販売が伸びる酒と、売り上げの構成比が大きいたばこの販売がなかったために売上が落ちてしまい、店舗拡大には至らなかった経緯がある。

今回の、マイナンバーカードを活用したセルフレジによる酒・たばこの展開で、深夜時間帯のコンビニの無人営業が一般化すれば、人件費削減や人手不足対策につながる可能性が高いのではないか。

三田友梨佳キャスター:
人手対策という点では、消費者が受け取っているコンビニの便利さは、店のオーナーやスタッフの方に支えられていた部分が大きいですから、その負担が軽くなるといいですよね。

マーケティングアナリスト 渡辺広明さん:
全くその通りで、今回、東京豊島区にオープンした「グリーンローソン」を取材して一番驚いたのは、原則、レジカウンターに接客対応の店員がいないこと。これは運転免許証を活用することで酒・たばこの年齢認証の課題をクリアしていた。

当然セルフレジに戸惑う方もいるので、それは品出しや清掃などを行いながら店内を巡回する「おもてなしクルー」という方に声をかけると、サービスカウンターで人による接客を受けることも出来る。

まさにこの例を見ても、未来のコンビニが、人手不足と収益確保のためにワンオペレーション、いわゆる一人勤務を目指していることが如実に分かる。

客は例えば、ガソリンスタンドのセルフ対応に慣れていったように、コンビニでのセルフレジ利用も一般化するフェーズに入りつつあり、これがどんなカタチがレギュラーになっていくかという試行錯誤も、いよいよ最終段階に入っていきそうだ。

三田友梨佳キャスター:
コンビニにおいて特にお酒は、おつまみなどの購入も見込めて、客単価を上げるという点においては利益率の高い商品でもあるように思います。
こうした動きは人材不足の課題解決も含め、業界の将来にも関わってくるのかもしれません。

(「Live News α」2022年11月30日放送分より)