混乱の度を増す、中国のゼロコロナ抗議デモ。警察当局は「敵対勢力を断固取り締まる」との方針を確認し、市民らの間には警戒感が広がっている。

“防護服に盾”で取り締まる警察

11月29日夜、中国南部の広州市とみられる街では、SF映画のワンシーンのような光景が繰り広げられた。

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「はやくはやく進め」とかけ声をあげ、白い防護服に身を包んでいるのは、盾を持った警察の一団。隊列を組み、デモ参加者の排除に乗り出した。

これに対し、市民らはガラスのコップの他、大根まで投げつけて抵抗していた。

中国各地で過激化が進む抗議デモ。対する警察当局側は、「敵対勢力を断固取り締まる」方針を確認したと、国営の新華社通信が伝えた。

11月27日のデモでは、「習近平は退陣せよ!」と習主席らを名指ししての退陣要求が行われた上海。

11月30日、街では警察官が警戒に当たるなど緊張感が漂っていた。

スマホやPCの中も“検閲”か

こうした中、“上海のデモで逮捕された”とする人物が、ツイッターに拘束時の様子についてこう書き込んでいた。

“逮捕された”人物のツイッターより:
少しの抵抗でもすぐ暴力を振るわれてしまう。罵倒されても言い返さないで。武装警察たちは、徹底的に洗脳された“暴力マシン”です。

その上で、拘束された人を見ても助けに行かないよう呼びかけた。

“逮捕された”人物のツイッターより:
あなたの友人が拘束されたら早めに離れてください。友人は“外からの協力”が必要です。逮捕された人のパソコンを入手して、外国製のアプリを速やかに削除してください。

携帯やパソコンの通信履歴などから海外とのつながりを調べられ、罰せられる可能性があると指摘した。

デモ取り締まりの強化を前に、市民らの間に警戒感が広がっている。


(「イット!」11月30日放送より)