日本三景の一つ「宮島」と世界遺産「厳島神社」がある広島県廿日市市。その市が、地域資源の強みを生かし独自に作成したプランで”手作りの結婚式”を行っている。市が新郎新婦を手厚くもてなすその理由を探った。
市民ホールがエレガントな式場に
廿日市市役所に併設された「はつかいち文化ホール」。

このホールが1日限定の式典会場になる。重厚感のある白い階段にレッドカーペットが敷かれ、エレガントな雰囲気。

式典の名前は「廿日市スタイルマリッジセレモニー」。ホームページなどから応募があった夫婦の門出を祝う手作りの結婚式だ。地元に愛着を持ってもらおうと廿日市市が2016年から行っている事業で、市の職員らがセレモニーをサポートする。
廿日市市 プロモーション戦略課・米原真理さん:
職員みんなが集まってきて、きっと「おめでとうございます」の気持ちでいっぱいだと思うので、それを感じてもらえたらうれしいです

結婚証明書も”廿日市市らしく”
2022年11月27日に入籍したばかりの隴本航紀(うねもと こうき)さんと園子さん夫婦がこの日の主役。
隴本航紀さん:
こういう機会をいただけて、すごくありがたいなと思っています

大学時代、先輩と後輩の間柄だったという2人。廿日市市役所職員でもある新郎の航紀さんが、多くの人に祝福してもらおうと応募した。
司会アナウンス:
新郎新婦のご入場です。どうぞ温かい拍手でお出迎えください
ホール2階の左右から、ゆっくりと階段を下りる新郎新婦。そして中央で手を取り合い、祭壇の前へと進む。

昼休みの時間帯ということもあり、休憩中の職員やホールに偶然居合わせた来庁者など約150人が参列。自然とわき起こる拍手の中、みんなが足を止めて2人の門出を見守っていた。

古くから木工の町として栄えた廿日市市。その歴史にちなみ、2人の名前と入籍日が入った木製の結婚証明書がこちら。

松本太郎市長が結婚証明書を手渡すと、ホール全体が祝福ムードに包まれた。

「末永く定住してほしい」市の思い
新婦・園子さん:
すごくいい町だなと思っているので、長くここに住みたいという気持ちが増しました

市の手厚いもてなしの背景には、転入してきた人に末永く定住してもらいたいという思いがある。
廿日市市・松本太郎 市長:
2015年からずっと転入超過の状態が続いてきています。選ばれる町として、非常に廿日市の評価が高まってきているんだろうと思っています。次世代を担う若い人に入ってきてもらいたいということで、力を入れています

祝福のフラワーシャワーで見送られる2人。廿日市市役所は婚姻届を提出するだけの場でなく、大切な日を記憶に残す場になろうとしている。

廿日市市は月に1組ほど結婚式を行う夫婦を募集している。詳しくは「はつマリ」で検索。
(テレビ新広島)