“第8波”の入り口に差し掛かっているともいわれ、感染者が再び増加傾向にある、新型コロナウイルス。今後、我々はどう向き合っていくべきなのか、4つのギモンを政府のワクチン分科会メンバーを務める川崎医科大学・中野貴司教授にぶつけた。

第8波「年内にピーク」の可能性

政府のワクチン分科会メンバーを務める川崎医科大学・中野貴司教授
政府のワクチン分科会メンバーを務める川崎医科大学・中野貴司教授
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9日、加藤厚労相は今後の感染状況について、「第7波と同じスピードで感染拡大した場合、2週間後には第7波のピークを超える可能性がある」と警戒感を示した。これについて中野教授は…。

川崎医科大学・中野貴司 教授:
身近でも患者さんは増えてきていますし、これまでにも流行拡大してくると1ヶ月ぐらいには流行のピークに達していますから、年内にピークがくるんじゃないかなと思っています

新たな変異株「BQ.1」の症状は?

国立感染症研究所によると、不確実性が高いとしながらも、12月第1週には約8割が、現在主流のオミクロン株「BA.5」から新たな変異株「BQ.1」系統に置き換わると推定されている。「BQ.1」の感染力・重症度について中野教授は…

川崎医科大学・中野貴司教授:
海外ではBQ.1がすでにはやっている国もあるわけですけども、同じオミクロン株でやはり感染力は強いと思いますね。ただ海外でも重症者、呼吸器合併症や肺炎の方がたくさん出てるかというとそんなことはなくて、やはりオミクロン株の一種かなと思っています

全国のワクチン接種状況を見ると、3回以上打っている人が7割近い。医療ひっ迫の可能性はあるのか。これについて中野教授は…。

川崎医科大学・中野貴司 教授:
発熱とか症状のある方が増えますと、どうしても医療機関を訪れる方は増えます。それと冬は他の病気も流行しますから、患者さんが増えるとやはり医療ひっ迫はある程度起こると思っています。
医療ひっ迫を防ぐために一番大事なことは、患者さんを「原因が何か」ということよりも「症状がどうだから、どの医療機関で対処しなきゃならない」ということを、いろんな病気に関して総合的に考えていくことだと思っています

インフルエンザとの同時流行はある?

では2022年の冬、新型コロナとインフルエンザとの「同時流行」の可能性については…。

川崎医科大学・中野貴司 教授:
ちょっとやっぱり警戒はしなきゃならないんですけど、どれぐらいの規模の流行になるかは、まだわからないと思います

ここで「インフルエンザとコロナ どっちが怖いのか?」素朴なギモンをぶつけてみた。

川崎医科大学・中野貴司 教授:
同じくらいに警戒した方がいいんじゃないでしょうかね。ちょっと注意したいのはコロナはここまで、これだけの対策をやってきても結構うつっていますよね。そこで発熱患者さんが増えると、これはもう2類相当から5類相当にしなきゃならないと思うのですが、そうなってくるとさらに患者さんが激増しないかがちょっと心配です

コロナとインフル「ワクチン同時接種」副反応は?

新型コロナとインフルエンザのワクチンの「同時接種」が東京都などでは始まっているが、副反応がきつくなったりはしないのだろうか。

川崎医科大学・中野貴司 教授:
同時接種ができるようになった理由は、どちらも副反応は一定の頻度であるんですが、1+1は2にはなるでしょうけども、3以上になるわけではないからです。
ですから片方で熱が出るんだったら、両方打ったら熱が出る頻度は増えるでしょうけども、余計に(副反応が)出るということはない、というのが今の理解だと思います

(11月13日「Mr.サンデー」より)