「ジリジリバチバチハンパない」レースの予感…第37回東日本女子駅伝が11月13日(日)に福島県福島市で行われる。東日本18都道県の女性ランナーが、未来のヒロインを目指し駆け抜けるこの大会からは、多くのトップアスリートが世界へと羽ばたいていった。
2022年は、非常に強力なメンバーが揃い激戦が期待される。そんな今大会の注目選手を紹介。今回は東京チームの新谷仁美選手。
ハンパない”陸上の鬼”が再び…福島から『最強』を証明する。

復帰戦で見せた底力

東日本女子駅伝の約1週間前…新谷選手の姿は横浜にあった。しかし、どこか不安そうな表情を浮かべていた。

新谷仁美選手(34)
新谷仁美選手(34)
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新谷仁美選手:
お見苦しいというか、緊張してしまって。練習でも緊張してしまうので。同じ練習内容だったとしてもやっぱり違うもの、全く別なものなので。都度自分の力になるからこそ、そのチャンスってその時しかないと思うので、その時つかめなかったら、もう二度とそのチャンスはやってこない

練習でも緊張すると語る新谷選手
練習でも緊張すると語る新谷選手

2013年の世界陸上で、1万m・5位入賞も電撃引退した新谷選手。
復帰戦に選んだ2018年の東日本女子駅伝で大逆転劇を演じ、東京チームを優勝へと導いた。
2019年も自身の区間記録をさらに更新。その後、ハーフマラソンや1万mで日本新記録をたたき出し、”ハンパない”底力を日本中に見せつけた。

2018年 東日本女子駅伝
2018年 東日本女子駅伝

世界へ羽ばたく道筋に

新谷仁美選手:
2大会ぶりに東日本女子駅伝に出場します。今年も鬼役として他県の小鬼を追っていきます。東日本は私の復帰後から支えてくれたというか、一緒にもう一度世界に羽ばたける道筋を作ってくれた大会。力を改めてもらえる場所だなっていう、パワースポット的に思える場所なので。やっぱり1年1年きっかけを作れる、気持ちを整えられる場所だなって思います

東日本女子駅伝への思いを語る
東日本女子駅伝への思いを語る

想定以上の力を出し、復帰後のきっかけを掴めた東日本女子駅伝。
新型コロナの影響で初めて中止となった2020年。当時「再度世界へ羽ばたけるよう鬼のごとく突っ走っていきます。そしてまた来年も鬼役として一番に戻ってきます」と、この大会へ帰ってくることを誓っていた。

新谷仁美選手:
(Q:2022年の東日本女子駅伝、何役として?)もちろん…鬼役で参加させていただきます。昔話では鬼役は大体やつけられてるんですけど、私は違います。現代の鬼役は絶対違います。正義の桃太郎役とかにやっつけられないタイプの鬼なので、最強なんで

最強の鬼役としてレースへ
最強の鬼役としてレースへ

人々を魅了する”本気”

練習になると、その明るい姿が一変する。
2022年11月5日に日体大で開かれた『オトナのタイムトライアル』で、本気の練習を披露した。その表情はまるでレース本番。どんな練習でも全力を出し切るのが当たり前。この姿勢こそが、見る人を魅了している。
この日は、5000mを15分50秒前後…一流ランナーの証とされるタイムで3本を走って見せた。それもそのはず、いま新谷選手が狙うのは、2023年1月のヒューストンマラソンでの『日本新記録』

狙うは日本新記録
狙うは日本新記録

横田真人コーチは、仕上がりに自信を見せていた。

TWOLAPS・横田真人コーチ:
日本記録出してからケガも続いていたんですけど、それ以降は今一番いい状態で迎えられるかなと思います。この1本目(東日本女子駅伝)で波に乗れるかは僕らにとってはすごく大事なことなので、今の持てる力は東日本女子駅伝で全部出すっていうのが、僕らがやりたいことかなって思っています

東日本女子駅伝で波に乗れるかが重要
東日本女子駅伝で波に乗れるかが重要

2分差なら…求める結果へ

復活を遂げ世界へのきっかけを掴んだ福島から、次はマラソン日本記録挑戦へ…2022年も新谷仁美がビクトリーロードを駆け抜ける。

福島から世界へ
福島から世界へ

新谷仁美選手:
もちろん結果重視というのは、私は変わってない。私が求められているところは変わらない。もう”行け行けどんどん”じゃないですけど、10キロの中で力を出し切るっていうのを、東日本女子駅伝でやろうと思っています。(Q:何秒差あったら逆転できますか?)1位で来られるとアレですよね、ちょっと番組的に面白くないですよね。追い抜かした方が面白いですよね、わかってますよわかってますよ。2分差はしっかり返せないと、私が求めている結果に繋がらないなと思っていて、だから1分半から2分。そこはしっかり目安として、頑張りたいなと思っています

10キロで力を出し切る
10キロで力を出し切る

アンカー区間は熾烈

新谷選手のコーチによると、ハーフマラソンで「日本記録を出した時の水準はお見せできる」という。しかし2022年の東日本女子駅伝はアンカー区間が熾烈となりそうだ。
世界陸上にも出場した、埼玉県チームの山ノ内みなみ選手。2022年10月の実業団による『プリンセス駅伝』で10人抜きと絶好調。
そして、最強の市民ランナー山口遥選手も神奈川県チームアンカーで出場予定。最後の最後まで、目が離せない展開が予想される。

意気込み語る新谷選手
意気込み語る新谷選手

(福島テレビ)

福島テレビ
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