介護現場の人手不足が問題となる中、福井県内の高齢者施設では、看護師の資格を持つインド人の女性15人が、日本人スタッフとともに介護現場で奮闘している。
高齢者介護を支えるインド人の介護士
インド人の介護士:
お茶おいしいですか?西山さーん
高齢者を介助するのは1人のインド人女性。福井・勝山市北谷町にある特別養護老人ホーム「さくら荘」では、ここ数年、介護士不足が続き、2022年6月に看護師の資格を持つインド人の特定技能労働者を受け入れた。
特定技能制度とは、海外から人手不足を補う即戦力を受け入れる制度。知識や経験があると認められた外国人は、最大5年間、日本で働くことができる。
さくら荘 石井孝幸荘長:
入所を待っている利用者が入れない状況がずっと続いていた。インドの看護免許を持っていて医療の知識もあって、日本語もよく勉強していて大変日本語がうまいです
働き始めて3カ月以上が経ち、入所者との会話も弾む。
ティラガワティさん(25):
100歳のヒミツ、ちょっと教えてください
番戸平みつさん(101):
くよくよ考えないで一生懸命生きてたら、100歳なっているよ
ティラガワティさん(25):
私どうですか?
番戸平みつさん(101):
あんたらみんな頑張ってるなぁ。外国から来て本当に頑張ってる
21歳から31歳までの若いインド人女性たち。お年寄りとの会話を楽しみながら介護の仕事をしている。
マノラマさん(27):
利用者さんの顔を見てお世話をする時、私にとって楽しい
ワイシュナビさん(22):
一番面白いのは利用者さんのリアクションとか、色々話すこととかたくさんある。そういうところが面白い
さくら荘 石井孝幸荘長:
初めは心配していたが、お年寄りから色んなことを教えてあげたいという気持ちがあって、お年寄りの方も刺激になっているのでは
外国人スタッフの“献身的な働きぶり”
そして、日本人スタッフを驚かせているのが真面目な仕事ぶりだ。食事や入浴といった時間の決まったお世話の合間にも、お年寄りの見守りを欠かさないなど看護師としての精神も生きている。
日本人スタッフ:
頑張っている。3、4カ月だが、それ以上に自分たちの力を発揮しているように思うので、今日は感動した
異国の地で働く女性たち。勝山での生活に慣れてもらい、仕事も休日も充実したものにしてほしいと、さくら荘では生活支援のスタッフを雇い、休日には山や川へと遊びに出かけている。
アヌパマさん(30):
私の出身地も勝山と同じよう場所だから、故郷のように考えることができる
――雪が降るのは聞いている?
ティラガワティさん(25):
聞いているけど、見たことはない。雪を待っている。見たい
日々奮闘する彼女たちには、大きな夢がある。
アヌパマさん(30):
子どもの頃から外国で働くことが夢だった。この経験をインドに持ち帰り、このような施設を作ってインドのお年寄りのお世話をしたい
介護現場の人材不足解消のためにやってきたインド人の看護師たち。インドではまだ一般的でない高齢者の福祉施設を作りたいという夢を持ち、今日も笑顔で学びながら汗を流している。
(福井テレビ)