2022年6月29日、大分県別府市の交差点で、赤信号で停止中の2台のバイクに、軽乗用車が追突。バイクに乗っていた男子大学生2人が死傷するひき逃げ事件が起きた。
軽乗用車を運転していた容疑者の男は以前、逃走を続けている。
事件から3か月。この事件で亡くなった19歳の大学生の父親が、つらい胸の内を明かした。
スペインにサッカー留学も…息子の突然の訃報に家族は
事件の一報を受けた時、亡くなった大学生の父親は「頭が真っ白になった」と振り返る。

男子大学生の父親:
事故があって心肺停止していますと。頭が真っ白でした。何のことかわからないし信じられないし、何も考えられなかった。それから(妻と)2人で大分に向かったが、行った時には心肺停止して何時間か経っていたので(生前に)全く会うことが出来ず…
息子とは頻繁に連絡を取り合っていて、事件の前日にも通話アプリで会話したばかり。突然の訃報が信じられなかった。
男子大学生の父親:
信じられない。ただ、泣き崩れただけ

亡くなった学生は、幼い頃からサッカーに励んできたという。スペインにサッカー留学した経験があり、けがでサッカー選手の夢を諦めたあとも、世界を動かすような経営者になりたいという目標を持っていた。
突如、奪われた海外への夢 葬儀には多くの人が
大学の入試で提出したエッセーのタイトルは、「新たな目標、世界への挑戦!」。

一緒に提出した書類には「世界中に人脈を広げたい」という言葉もあった。
男子大学生の父親:
世界に出て、世界中の友達と力をあわせて起業したいと言っていたので、立派な夢だなと。両親思いで、友達思いで、スマートで頭もよく本当に立派な息子
友人に恵まれていたという学生。葬儀には1000人近い人が訪れ、突然の別れを惜しんだという。
故意に追突か?はだしで逃げる姿も… 警察が公開手配
この事件を巡っては、道路交通法違反のひき逃げの疑いで、八田與一容疑者(26)が公開手配されている。
防犯カメラは、八田容疑者が現場から別府湾方面にはだしで逃げ、国道10号を渡る様子を捉えていた。

捜査関係者によると事件の直前、八田容疑者は亡くなった大学生との間でトラブルになっていて、故意に追突した可能性があるという。
県警は80人態勢で捜査続ける
県警は80人態勢で捜査を続けていて、延べ7440人の捜査員を投入している。

県警にはこれまで、九州や関東の人などから「似ている人を見た」などという情報が67件寄せられているが、いまのところ有力な手掛かりはないという。
引き続き情報提供を呼び掛ける
男子大学生の父親:
怒りと憎しみしかない。1時間でも1分でも早く逮捕してもらいたい。卑怯にも人の命を奪っておいて何を逃げているんだと。犯人に対しても自ら出頭してほしいと伝えたい。自分が悪いことをしたと認識してほしい
亡くなった大学生は、事件後の8月31日が誕生日で、本来であれば元気に20歳を迎えるはずだった。
事件発生から3か月―。

遺族や県警は引き続き、情報提供を呼び掛けている。
【情報提供先】
別府警察署 0977-21-2131
(テレビ大分)