SDGsの目標のひとつ、「住み続けられるまちづくり」。この項目では誰もが安全に暮らせて、災害にも強い町を作ることなどが盛り込まれている。

異分野に積極的に参入しながら、誰もが住みやすいまちづくりを目指す新潟県見附市の企業の取り組みを取材した。

バーベキューやキャンプもできる人気施設

松尾和泉アナウンサー:
住宅が立ち並ぶこの場所を歩いていると見えてくるのが、ひときわ目立つソーラーパネル。実はここ、ある施設になっているのです

見附市の国道のすぐそばにある「あかり村」。

(新潟県見附市)
(新潟県見附市)
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ソーラーパネルの下では親子がバーベキューをしていた。

訪れた人:
道具を持っていなくてもバーベキューができる場所は、見附に今までなかったので。気軽にできてうれしい

バーベキューが楽しめる「あかり村」
バーベキューが楽しめる「あかり村」

さらに、同じ敷地内ではキャンプをする人の姿も。

訪れた人:
近くにあまりこういう所がない。あっても山だと虫が多いので、こういう所は虫が少なくていい。設備が整っていてきれい

キャンプを楽しむ人も
キャンプを楽しむ人も

太陽光発電と市民の憩いの場所が共存する「あかり村」を手がけたのは、地元の電気工事会社。なぜこのような施設をつくったのだろうか?

あかりテック 佐藤喜博 代表取締役:
電気と何らかの形で結びつくこともある。再生できるものは再生したいと考えていて、利用できるものは利用する

発電機と生活用水 災害設備も充実

使われなくなっていた旧家の跡地を活用し、まずは太陽光発電所を設置。さらに使っていないスペースを有効活用しようと、2022年に市民の憩いの場として整備されたのが「あかり村」だ。そして、ある強みも持っている。

あかりテック 佐藤喜博 代表取締役:
災害時に避難場所として使えるように設備を整えている

案内された先にあったのは非常用発電機。

あかりテック 佐藤喜博 代表取締役:
原発の問題とか過去には中越地震や水害と、見附は色々な災害があったので。大きい災害時にどこか避難場所として使える場所が民間にあってもいいんじゃないかと思って

非常用発電機を設置
非常用発電機を設置

40人が避難生活を送っても十分な電気供給が可能になっているほか、くみ上げた地下水を生活用水として使える設備も整えられている。

訪れた人:
安心。見附も以前に災害があったので、そういった面で非常にいいと思うし、これだけ広い場所であれば避難場所にもなるのですごくいい

「人と人をつなげる」農業・福祉分野にも参入

佐藤さんが行う取り組みはこれだけではない。

あかりテック 佐藤喜博 代表取締役:
もともと兼業農家だったので、農業には非常に関心があった

LED照明を利用する水耕栽培
LED照明を利用する水耕栽培

自身の経験から農業分野に貢献しようと、LED照明を利用する水耕栽培にも挑戦。また地域農業の課題と向きあっていて、今は「もみ殻」の問題に重点を置いている。

あかりテック 佐藤喜博 代表取締役:
ちょうど稲刈りの最盛期。農家の方に必要のない「もみ殻」を搬入してもらっている

農家から集めた「もみ殻」
農家から集めた「もみ殻」

行き場を失った大量のもみ殻。これを土壌改良剤にもなる「くん炭」に生まれ変わらせて販売している。

くん炭を販売するための袋詰め作業を担っているのは、福祉事業所の利用者と職員。利用者が請け負える仕事を1つでも増やしたいと、6年前からともにこの事業に取り組んでいる。

くん炭の袋詰め作業
くん炭の袋詰め作業

みつけワークス 加藤秀之 次長:
農業と福祉の連携をやらせていただく中で、職員も利用者もみんな元気になった。とても相乗効果のある作業だと思って、毎日楽しくやっている

今後、佐藤さんは福祉事業所に全てを任せて、障がい者が自立して働ける環境を整えたいと話す。

あかりテック 佐藤喜博 代表取締役:
障がい者の方々も我々も、同じところで生活をしている。連携をしながら元気が出る町をつくっていければいい。色々な課題を持っている方をマッチングしたり、人と人をつなげる。そういうことをやっていきたい

すべての人が暮らしやすい町を目指して…。異分野に積極的に参入する電気工事会社の取り組みはさらに広がっていきそうだ。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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