「小中学生に携帯電話を持たせない」という新潟県妙高市の提言が時代の変化とともに見直しが検討されています。新たな提言づくりを目指し、子どもたちを中心に意見が交わされました。
■保護者に聞いた“小中学生に携帯電話を持たせる理由”
「小中学生には携帯電話を持たせません」
これは2008年に妙高市が取りまとめた携帯電話の所持に関する提言です。
しかし、スマートフォンの普及など時代の変化に合わせて妙高市では提言の見直しを進めてきました。
その一方で、様々なトラブルの原因ともなる携帯電話。小中学生の子どもを持つ親に携帯電話を持たせた理由を聞いてみると…
【保護者】
「娘が習い事をしていて1人で行かなければいけないこと、家で留守番することが多かったので心配で持たせた。お姉ちゃんが使っている流れを見て、下の子も『自分も携帯電話が欲しい』となって(買った)」
【保護者】
「メリットは、GPSがあるので居場所確認ができる。デメリットは、ずっとスマホを触っているので困っている」
スマートフォンを持たせることで安心感が得られる一方、使い方に不安を感じるといった声が聞かれました。
■子どもが考えるスマホ所持の利点と気をつけるべきポイント
こうした中、8月19日、妙高市で行われた3回目となるスマホ所持に関する提言の見直しに向けた検討会議。
【記者リポート】
「今まで大人だけで進められていた会議ですが、今回は小中学生の児童・生徒が中心となって意見を出し合います」
会議でまず子どもたちが話し合ったのは、スマホを所持する利点と気をつけるべきポイント。
【子ども(スマホ所持の利点)】
「学校で漢字の練習をしているときに、調べると漢字がすぐ出る」
【子ども(スマホ所持の利点)】
「趣味を広げられる。例えば音楽が好きだったら音楽を聴くなど。自由が手に入る点が良い」
【子ども(スマホ所持で気をつけるべき点)】
「言葉選び」
「伝え方」
「『何(なに)で来るの?』か『何(なん)で来るの?』」
「変換してしまうと…」
■ルールを守るためにすべきことは?子どもたちが意見を発表
この話し合いもとに、「悪口を書かない」などのルールを守るためにすべきことについて各グループが発表していきました。
【子ども】
「動画や画像を送信したい場合は、写っている相手に確認をとること、そしてSNSにあげる場合、個人を特定できる顔や名前、そして場所が写っていないかを確認する」
【子ども】
「チャットGPTなどのAIにチェックしてもらい、それは、いじりか悪口かというのを判断してもらうことが大事だと思った」
このほか、スマホの使用時間を守るために「時間になったら親に声をかけてもらう」といった意見も出されました。
【妙高市こども教育課 渡邉洋臣 副参事】
「ルールをつくるにあたって、つくって終わりは避けたい。日々、変わっていくところがあると思うので、常に保護者と考える機会をつくりたかった」
妙高市はこうした意見を参考にしながら、家庭で必要と判断した場合には、携帯電話・スマートフォンの所持を認める新たな提言を12月の会議でとりまとめる予定です。