生まれたばかりの赤ちゃんとお母さんの姿を写真に収めた展覧会が、9月、大分市の県立美術館で開かれた。撮影したのは、なんと産婦人科の院長だ。
「人生に残る一枚に」 カメラマンは産婦人科院長
モノトーンの写真に写し出されているのは、赤ちゃんを抱いて微笑みをたたえるお母さん。

ソフィアクリニック・井上幾雄さん:
最高の笑顔でしょ。生涯人生に残る1枚になってほしい。そういう気持ちで撮った
撮影したのは、井上幾雄さん。

6年前から、生まれて間もない赤ちゃんとお母さんの写真「ニューボーンフォト」を撮り続けている。井上さんは、大分市にある産婦人科の院長だ。

新しい命を生んだお母さんたちの心の中に、この大切な時期をいつまでも残してほしい。
井上さんはクリニックの中にスタジオを作り、出産から退院までの数日の間に写真を撮っている。
これまでに撮影した親子は、約2200組。
その写真を多くの人に見てもらおうと個展を開いていて、今回、2回目となる展示会を開催することになった。
準備を進める中でも、撮影した時のことなどを思い出していた。
ソフィアクリニック 井上幾雄院長:
1枚1枚(自分で)撮ったけど、こうやってまた見てみると感動。私、頑張ったなというのをお母さんに感じてもらえればいいと思う
当時を振り返り…募る愛おしさ、懐かしさ
個展初日。
訪れた親子:
これ誰?ママおるよ、ママ。ちっちゃ!こんなんやったっけ

クリニックで赤ちゃんを産み、撮影してもらったという親子も駆け付けていた。
母・宮崎美紗樹さん 娘・海那ちゃん:
ずっと、生まれてから、家にも飾っている。また当時を思い出すというか。最初は緊張していたけれど、撮る時には楽しく撮った

会場には、2022年6月までの1年間に撮りためた、約320組の写真が展示されている。
母・赤澤真衣さん 娘・詩花ちゃん:
すごい、全然違う、これです!もう1歳になるけんなあ。すごくありがたくて、記念になるからすごく嬉しいと思う
母・広瀬友華さん 娘・結陽ちゃん:
成長が早いなと思います。面影はあるけど全然変わりました
人生のスタートを切ったばかりのわが子の表情と、その時に自分自身が抱いた気持ち。
訪れたお母さんたちは、改めて子供への愛しさを募らせているようだった。
命の輝きにカメラを向け続ける

幸せな瞬間を残すためにも、そしてその時の感動を思い出してもらうためにも、井上さんは生まれたばかりの命の輝きに、カメラを向け続ける。
ソフィアクリニック・井上幾雄 院長:
(目標は)日々撮り続けること。我々、産婦人科のスタッフの目から、お母さんと赤ちゃんを見たものを表現したい
(テレビ大分)