国連と日本のメディアが協力して「1.5度の約束」と題した、地球の平均気温の上昇を抑えようというキャンペーンが今週から行われている。

気候変動などで失われつつある生態系を守るために、水辺に住む生き物のすみかを、人の手で整えた「ビオトープ」をつくる取り組みを始めた岩手・雫石町の時計メーカーを紹介する。

SDGsへの取り組みの一環として「ビオトープ」を開設

水草の根元に卵を産み付けているのはヤブヤンマ。
一見、自然の水辺のように見えるが、こちらは人工的につくられた「ビオトープ」。

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「ビオトープ」とは、「生物」を意味する「ビオ」と「空間」を意味する「トープ」を合わせた言葉。
生物が自然な状態で生息する空間のことを指す。

気候変動などで失われつつある生態系を守るために、人の手ですみかを整える取り組み。
この「ビオトープ」があるのは、雫石町の時計製造メーカー・盛岡セイコー工業の敷地内。こちらの会社では、SDGsへの取り組みの一環として、8月にこの場所を開設した。

盛岡セイコー工業・SDGs推進部 村里法志さん:
2021年8月に県と包括連携協定を結んだ。地域の自然環境や地域社会との共生・共創を意識した活動をしようと

今回、設計や施工には県立大学が協力した。

水辺の環境を作り出すために水源となっているのは敷地内に降る雨水。
池の水は自然の力を使い、ろ過して、循環させることで水質を保っている。

盛岡セイコー工業・SDGs推進部 村里法志さん:
簡単に言うと、中に砂が入っていて、そこで水をろ過する仕組み。植物プランクトンや有機物を微生物が分解してくれる

こうしてつくり出された水辺の環境には、水生の昆虫などがやってきて生息し始めている。
青い目が特徴的なアオイトトンボやドジョウ、ミズカマキリもいる。
中には、種によっては環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されているゲンゴロウもいた。

盛岡セイコー工業・SDGs推進部 村里法志さん:
少しずつだけれど、生態系ができてきている。湿地の植物や水環境も少しずつ変わってくると思うので、それに応じた生態系ができてくると思う

環境教室で環境への取り組みを子どもたちへ

こちらの会社では、こうした環境への取り組みを子どもたちにも学んでもらおうと、環境教室も開催している。

参加した子ども:
木や草が育っていた土地が、植物が育ちにくい土地に変わることは?

この日は、同じく会社の敷地内にある森の中を散策しながら、SDGsについてのクイズに答えるゲームが行われていた。

参加した子ども:
クイズを見つけたり、みんなで協力して答えたりすることが楽しかった

参加した子ども:
知らなかったことをいっぱい知れて、今度は復習で、家で勉強したいと思うことがいっぱいあった

「ビオトープ」には、この環境教室で子どもたちがつくった虫たちのすみか「インセクトホテル」を設置して、子どもたちの生態系保全への関わりも生んでいる。

盛岡セイコー工業では、これからも地域とともに歩んでいく中で、ビオトープを未来に向けて育てていきたいとしている。

盛岡セイコー工業SDGs推進部 村里法志さん:
ものづくりと自然の共生を実現する場所として発信するのが1つ。地域の人にも見てもらい、自然の良さを知ってもらえる場所にしていけたらよい

豊かな生態系を持続させていくために、企業もまた取り組みを始めている。

(岩手めんこいテレビ)