妻が倒れていると自ら通報 死亡前日の様子に「二日酔いかと」

9月16日、殺人の疑いで逮捕された吉田佳右容疑者(40)。大手製薬会社「第一三共」の研究員で、妻に有毒なアルコール「メタノール」を飲ませ、中毒死させた疑いが持たれている。

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FNNのカメラは逮捕の3日前、自宅に向かって歩く吉田容疑者の様子をとらえていた。スマホを片手に誰かとやりとりしていたのだろうか。

スマートフォンを手に、自宅に向かって歩く吉田佳右容疑者(9月13日)
スマートフォンを手に、自宅に向かって歩く吉田佳右容疑者(9月13日)

事件が発生したのは2022年1月。東京都大田区にある吉田容疑者の自宅マンションで、妻の容子さん(40)が倒れ、吉田容疑者は「意識のない状態で倒れている妻を発見した」と自ら119番通報した。

容子さんは自分の部屋で倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。吉田容疑者は駆けつけた警察官に当時の状況をこう説明していた。

死亡前日の朝、部屋で嘔吐する妻の姿を目撃
死亡前日の朝、部屋で嘔吐する妻の姿を目撃

容子さんが死亡した前日の朝、吉田容疑者は自分の部屋で嘔吐する容子さんの姿を目撃。

しかし、この時は「二日酔いだと思ってそのままにした」という。さらにその後、ろれつが回らない状態になり、ベッドから落ちるなどしたと説明。

ろれつが回らない状態になり、ベッドから落ちるなどしたと説明
ろれつが回らない状態になり、ベッドから落ちるなどしたと説明

ところが、吉田容疑者は「またも二日酔いだと思い、そのまま床で寝かせた」といい、翌朝、ベッド脇に倒れていた容子さんを発見したと説明している。

ベッド脇に倒れていた容子さんを発見したという
ベッド脇に倒れていた容子さんを発見したという

勤務先で日常的にメタノールを扱う夫「殺意抱いたことない」

司法解剖の結果、容子さんの遺体からメタノールが検出され、死因は急性メタノール中毒と判明した。

メタノールは塗料や接着剤の原料として使われ、摂取するとわずかな量でも命に関わる劇物だ。

警視庁は、容子さんに自殺するような事情が確認できなかったことなどから、殺人と断定。吉田容疑者は、勤務する製薬会社で普段からメタノールを扱っており、何らかの方法で容子さんにメタノールを摂取させたとみられている。

夫婦の間で何らかのトラブルがあったのだろうか。近くに住む人によると、吉田容疑者と容子さんが激しい夫婦ゲンカをし、警察が介入したこともあるという。

吉田容疑者は調べに対し、容疑を否定。「殺意を抱いたことはないし、家にメタノールを持ち込んでいない」と話している。

研究員の逮捕を受け、第一三共は「事実関係を確認した上で、会社として厳正に対処する」としている。

(「イット!」9月16日放送分より)